全国高校駅伝/上 男子・伊賀白鳳 考える力、責任感鍛え 新たな練習法に自信 /三重

毎日新聞

 <23日号砲>

 「目標に遠く及ばなかった」。都大路への15年連続出場を決めた11月の県予選会後、宇留田竜希・駅伝主将(3年)の表情は硬かった。タイムは2時間10分7秒と昨年より2分47秒早かったが、目標となる大会記録(2時間5分57秒)更新はできなかった。今年のチームについて中武隼一監督(34)は「個性が強く、絶対的なエースがいない」と評する。それでも「今年は面白い。これまでの先輩を超えられるんじゃないか」と自信をのぞかせる。【衛藤達生】

 都大路の1区は「花の1区」といわれ、各チームのエースがしのぎを削る。伊賀白鳳は全国大会で2012年、13年に3位、16年には5位に入った強豪。「1区は信頼できる選手しか走らせない」と話す中武監督だが、今月上旬に行った試走では複数人を走らせた。

 また、今年4~11月にあった公認大会での5000メートルの記録では、宇留田主将が14分9秒と断トツだが、練習では宇留田主将を上回る選手もおり、1区を誰に任せるか迷うほどの層の厚さが中武監督の自信につながっているようだ。

 さらに、県予選会以降に調子を上げてきた選手もいる。鉄川歩選手(3年)もその一人。「夏場の練習の疲れが出たのか、調子が上がらなかった」(中武監督)こともあり、県予選会では出走しなかった。しかし、東海大会では1区を任され、30分19秒の好記録で区間6位に入った。鉄川選手は「区間賞を狙っていたので満足していない」と話すが、手応えを感じているように見えた。

 今年から練習に取り入れたのは2人組になって、練習前に、その日の目標を相手に伝え、練習の最後に、相手の目標が達成できたかどうかなどを伝えることだ。山本恭澄選手(3年)は「言葉にして誰かに伝えることで、一回一回の練習への思いが深まる」と効果を実感する。

 ペアを組んだ相手に対して学年に関係なく指摘する。佐伯陽生選手(2年)は「信頼しているので、悪いところを指摘したからといって、チームの雰囲気が悪くなることはない」と語った。

 中武監督は「アクティブ・ラーニングを取り入れた」と話す。アクティブ・ラーニングとは、生徒同士、先生と生徒が議論しながら、本質的な知に近づく学びのこと。20年度から順次導入される学習指導要領の目玉であり「考える力」を育む方法だ。

 伊賀白鳳では都大路での出走順などは数日前に選手間で話し合って決める。「グラウンドでの練習だけでなく、教室での態度などは選手同士の方がよく知っている。ここ一番を任せられるかどうかは監督よりも選手の方が分かると思う」と中武監督。新たな練習法で考える力と責任感を鍛えた伝統校の走りに期待が集まる。

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 男子第69回、女子第30回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催)が23日、京都市で開かれる。県代表として都大路に出場する男女2校を紹介する。

〔三重版〕