男子・佐久長聖 連覇へ重圧と戦い /長野

毎日新聞

 21年連続の優勝を決めた県大会後、選手たちに笑顔はなかった。記録は昨年から3分以上遅い2時間9分3秒だったからだ。しかし、それから1カ月半がたち、1、2年で都大路を経験したエースの松崎咲人主将(3年)が故障から復帰。チーム状態は上向きだ。

 「松崎が出られないのが記録以上に痛かった」。県予選について高見沢勝監督は分析する。松崎主将は佐久長聖には珍しい「エース」かつ「キャプテン」。松崎主将が走る大会と走らない大会では選手の安心感やモチベーションが変わり、結果にも影響するという。それを顕著に示すのが、県大会の2週後にあった北信越大会。3キロの5区に松崎主将を据えると圧勝。タイムも昨年から30秒遅れの2時間6分11秒でまとめた。

 それでも高見沢監督は北信越大会後、掲げてきた「2連覇」の目標を「5位以内」に下げることを提案した。優勝への思いがプレッシャーになり、力が入りすぎていると感じたからだ。

 しかし、選手たちは昨年の優勝校のプライドから反発も。最終的には「目標が変わってもやることは変わらない」と変更を受け入れた。昨年のメンバー、服部凱杏選手(2年)は「1年間、連覇を目指して練習してきたからにはぶれたくない」。他の選手も同じ思いで、掲げる看板は変わっても連覇を狙う気持ちは捨てていない。

 昨年、1区で区間賞の中谷雄飛さん(現早稲田大)のような飛び抜けた選手は今年のチームにいない。しかし、1、3、4区の長距離区間を希望する選手が7人いるなど、層の厚さは劣っていない。昨年3区(8・1075キロ)を走り、今回は1区(10キロ)が有力視される松崎主将は「足の状態は良い。今年は長距離区間でスピードを生かしつつ粘り強い走りがしたい」と力強く語った。【原奈摘】