あす号砲 女子・比叡山、故障に注意し調子万全 男子・滋賀学園、選手個々が考え成長 /滋賀

毎日新聞

全国大会を目前に控え、調整する比叡山の選手たち=大津市御陵町の皇子山運動公園で、諸隈美紗稀撮影

 「男子第69回、女子第30回全国高校駅伝競走大会」(毎日新聞社など主催)は23日、京都市右京区の西京極総合運動公園陸上競技場を発着点に開かれる。男子は7区間計42・195キロ、女子は5区間計21・0975キロで都大路を駆け抜ける。女子は記念大会のため、47都道府県の代表校のほか、各地区大会を勝ち抜いた11校が加わる。

 11月の県予選を勝ち抜き、県代表として出場する男子・滋賀学園(3年ぶり11回目)、女子・比叡山(6年連続8回目)は、ともに8位入賞を目指す。23日の本番に向け、調整を続ける選手たちに意気込みを聞いた。【諸隈美紗稀】

女子・比叡山

 県予選の全5区間で区間賞を獲得し、大会記録を更新した比叡山。今年8月の全国高校総体(インターハイ)を経験した、1区の飛田凜香選手(3年)と2区の北川星瑠(ひかる)選手(2年)は区間新記録を出し、他校を寄せ付けない走りを見せた。それでも、吉居克広監督(46)は「当然の結果だ」と冷静に分析する。

 吉居監督の言葉の裏には、昨年の悔しい思いがある。2年連続でメンバー入りした飛田選手が故障したり、エース級の3年生選手が練習中にケガをして出場できなかったりと、アクシデントが重なった。それでも、全国大会はチーム最高の25位でフィニッシュしただけに、チームの悔しさはますます募った。

 だからこそ、吉居監督は「今年は故障に細心の注意を払った」と明かす。調子を上げている選手に無理をしないよう声をかけたり、大会の出場回数を調整したりした。そのかいもあって、選手は大きなケガをすることもなく、チーム全体も調子を上げてきている。

 チームの強みは仲の良さだ。主将2年目の小川実玖選手(3年)を中心に、大会の反省などをミーティングしながら信頼関係を築いた。昨年は同学年の飛田選手と2人で先走りがちになることもあったが、前回の全国大会直前に吉居監督から「2人で頑張り過ぎている」と注意され、今年は頻繁にミーティングを開いて学年に関係なく話せる場を作った。

 全国大会で43位、29位、25位と年々順位を上げる中、3年連続出場となる飛田選手は「最上級生の今年は自分がチームを引っ張る」。北川選手も「堂々とした走りをしたい」と気合が入る。「チーム一つになり、今年こそ入賞を目指す」。小川主将の言葉は、チーム全員の思いだ。

男子・滋賀学園

全国大会に向けて練習に励む滋賀学園の選手たち=滋賀県東近江市芝原町の布引グリーンスタジアムで、諸隈美紗稀撮影

 滋賀学園は県予選で全7区間中、6区間で区間賞を取るなど圧倒的な強さを見せた。大河亨監督(50)は「今までで1番強いチームだと思う」と自信を見せる。過去2年間は全国大会から遠ざかっていたが、大河監督は「敗因は精神面の弱さにあった。今年はあまり指導に口を出さず、選手に自ら考えさせるようにした」と話す。

 大河監督の「自分たちで考えて」との指示に、松田爽汰主将(3年)を中心に、練習の合間の時間の使い方を考えたり、前半はジョギングでゆっくり走り、後半は速く走る「流し」の練習を多めに入れたりして、個人の強化を図った。松田主将は「この1年間で選手が一人一人、どうすれば良いか考えられるようになり、個人の力が上がった。全国大会では8位入賞を狙いたい」と力強く語る。

 勝負の鍵を握るのが、大河監督が「体幹が全くぶれない」と太鼓判を押す安原太陽選手(2年)。5000メートルでチーム最速の公式記録をたたき出したが、今年8月に右足の内転筋を損傷した。復帰戦となった11月の県予選は1区を任されたが、1人だけ区間賞を逃し、悔しい思いをした。

 その後は徐々に調子を上げ、今月の記録会では5000メートルの自己ベストを1秒縮め、14分37秒4と更新した。安原選手は「ケガで1カ月半、走れなかった時のもどかしさを、全国大会で出し切りたい」と意気込む。

 今年6月には秋田・男鹿(おが)半島で開かれた「男鹿駅伝競走大会」で、昨年の全国高校駅伝で優勝した佐久長聖(長野)などの強豪校を破って3位入賞を果たし、チームは自信を深めている。大河監督は「前半から攻めるレース展開を期待したい」と、自ら考える選手に手応えを感じている。