県勢力走最後まで 女子13位 男子39位 /群馬

毎日新聞

 男子第69回、女子第30回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社、日本陸連、全国高体連など主催)が23日、京都市で開かれた。県代表の女子・常磐は13位、男子・樹徳は39位と健闘を見せた。【菊池陽南子】

 ◆女子

常磐、入賞まであと一歩

 前半勝負を懸けた常磐だったが、目標の8位以内入賞に、あと一歩届かなかった。

 エースひしめく1区を任された星野輝麗選手(1年)は、実力通りの好走を見せた。序盤は3位集団にぴったりとつき、5キロ地点の上りで前に出て8位で最初の中継へ。

 2区の阪下玖瑠美選手(3年)は、予想を上回る順位でたすきを受けて驚いたものの、代々伝わる「2区の心得」を思い出し、心を落ち着けた。上り下りの激しいコースを切り抜けたが、平らな道で苦戦して12位で3区へ。

 3区では、林亜美選手(2年)が序盤からペースを上げて盛り返す。2キロ地点までに3人を抜き、区間記録5位の好タイムで走り抜けた。

 9位でたすきを受け取った4区は、飯嶋優羽主将(3年)。追い上げてきた興譲館(岡山)、須磨学園(兵庫)と、約1キロにわたって激しく競り合った。途中ペースを落としながらも、「常磐で走るのは最後。松崎さんの顔をめがけて走った」と、ラスト200メートルでスパートし、8位との距離をつめて10位でたすきを託した。

 アンカーの松崎愛選手(2年)は「入賞は見えている」と必死に追ったが及ばず、13位でゴールした。

 ◆男子

樹徳、4区激走9人抜き

 「チームとして一番苦しい状態」。レース前日、岩上和貴監督は話した。主力選手の故障を抱えながら臨んだ都大路だった。

 1区の北村光選手(2年)は、序盤10位以内につけていたものの、4キロ地点からペースが落ち、36位でたすきを託した。

 2区の大類康靖選手(3年)は、スピード勝負の下りで脚力を存分に発揮。区間記録4位の走りを見せる。ラスト400メートルは沿道の声援に感極まって「最高だ!」と叫び、順位を30位にまで押し上げてたすきをつないだ。

 3区は急きょ起用された須田大志選手(3年)。慣れない上りに苦しめられ、44位で中継所へ。

 4区の大沢佑介主将(3年)は、懸命に走る須田選手の姿に奮起して9人抜き。レースの流れを変えた。

 5区の所南樹選手(2年)は、安定した走りで順調にタイムを刻み、35位を守り切る。

 6区はエース格の一人、赤坂匠選手(2年)。10日前に疲労骨折が発覚し、十分な練習を積めないまま大会に臨んだ。上りでペースを上げきれず、最終中継所に飛び込んだ。

 アンカーの前田健心選手(1年)は、懸命に前を追って39位でゴール。チームのモットー「笑顔でたすきを」を胸に、ガッツポーズを見せた。


先輩に背中押され 常磐・松崎愛選手(2年)

 「昨年はメンバーにも入れず、悔しかった。チームの力になれないことが苦しかった」。都大路への思いを胸に、この1年、練習に励んできた。県大会では2区を任されて区間賞。2年ぶり代表の一翼を担った。

 都大路ではアンカーに抜てきされた。「5区は1度しか試走したことがない」と戸惑いつつも、走るイメージを描きながら臨んだ。

 10位でたすきを受けとったが、8位集団に追いつくことができずフィニッシュ。待っていたチームメートに「お疲れ様」と抱きしめられ、「ごめんね」と返した。

 栃木県出身。同じ栃木出身の飯嶋優羽主将(3年)は中学時代からあこがれの存在だった。「一緒に走れることがうれしかった」。記録が伸びずに悩んでいた頃、帰りの電車で「大丈夫だよ」と励ましてくれた。

 その飯嶋主将から、笑顔でたすきを渡された。「頑張れ」の声とともに。「やっぱり最後に背中を押してくれるのは、先輩なんだなって」。レース後、涙があふれた。「来年はこのリベンジを」。新たな闘いが始まる。

前を向いて走った 樹徳・大沢佑介主将(3年)

 初の都大路で、チームを鼓舞したのは、4区で見せた主将の激走だった。

 須田大志選手(3年)から勢いよくたすきを受け取ると、序盤から一気にペースをあげて9人抜き。「自分が弱気になると、勢いがつかない。とにかく前を向いて走った」。区間記録5位の熱い走りでチームを勇気づけた。

 「樹徳の4枚看板」の筆頭としてチームをけん引してきたが、1、2年時は、左足の故障に悩まされた。ストレッチやマッサージなど、自宅でのケアを徹底。足に負担をかけないフォームへと変えるため、自転車のゴムチューブを使って筋力トレーニングにも励んだ。

 夢に見た大舞台で、そんな努力を実らせる走り。それでも「本当なら3番以内に入らないと」と悔しさをにじませた。

 「一度、強いチームでもまれたい」。駅伝の強豪、青山学院大への進学が決まっている。原晋監督も「これからゆっくり仕上げれば」と期待を寄せる。次の目標は箱根駅伝。「青学のエースを目指して頑張りたい」。視線はしっかりと前を向いている。