男子・埼玉栄6位入賞 女子・昌平21位、埼玉栄32位 /埼玉

毎日新聞

 師走の都大路を駆け抜ける「男子第69回、女子第30回全国高校駅伝競走大会」(毎日新聞社、日本陸連、全国高体連など主催)が23日、京都市右京区の西京極陸上競技場を発着点に行われた。県勢は男女とも埼玉栄が県代表として出場し、男子は2時間3分59秒で6位に入り、4年ぶりの入賞を果たした。女子は1時間11分57秒の32位でフィニッシュした。女子の北関東地区代表として出場した昌平は1時間10分22秒の21位だった。【畠山嵩】

 ◆男子

1区はトップでたすき

 2年連続38回目の出場となる名門・埼玉栄の男子が、日々の練習の成果を出し切り悲願の6位入賞を果たした。

 エースがそろう1区を任されたのは白鳥哲汰選手(2年)。「前半いいところまで行けば面白いレースになる」という神山洋一監督の期待に応え、トップでたすきをつないだ。白鳥選手は「ラストスパートまで力をためて思い切って出す。狙い通りの展開だった」と話す。

 2区の脇坂進之介選手(3年)は「まさか1位で来るとは思わず泣きそうだった」と苦笑い。それでも「やらなきゃだめだ」と自らを鼓舞した。神山監督から「安定感が高い」として起用された力を発揮し、1位を守りきった。

 白鳥選手と並んで好走したのが3区の佐藤快成選手(1年)だった。外国人選手がひしめく3区で順位を一つ落としたものの、区間6位となる堂々の走りを見せた。「上りがきつかったがつらいのはみんな同じ。気持ちで負けないように走った」

 4区の宮坂大器選手(3年)、5区の西田大智選手(1年)、6区の久保田悠月選手(3年)も懸命の走りで上位をキープし、5位でアンカーの奥山颯斗選手(1年)へ。奥山選手は激しい4位争いを繰り広げ、勝負はトラックまで持ち込まれたが最後に競り負け、6位でフィニッシュした。「ラストの切り替えがうまくいかなかった。来年こそは3位以内に入る」と誓った。

 タイムは目標に掲げた2時間4分台を上回る2時間3分59秒。神山監督は「夏以降、練習をしっかりとやってきた力が出た」と満面の笑みを見せた。

残り300メートル、驚異のスパート 白鳥哲汰選手 埼玉栄(2年)

 1区で区間賞となる29分16秒を記録し、トップで2区の脇坂進之介選手(3年)にたすきをつないだ。チームを入賞に導く走りに「1年を通し、チーム一丸となって練習してきた」と胸を張る。

 今夏のインターハイ5000メートルでは決勝に残るつもりだったが、まさかの予選落ちを経験。「悔しすぎて、レース後はどうしていいか分からなかった」が、「インターハイの借りを返す」との思いを胸に、夏合宿などで練習を積んできた。

 悔しさを晴らそうと臨んだ今大会では序盤から先頭集団に位置したが、ラストスパートに向けて体力を温存しようと抜け出すことはせず我慢を続けた。

 2区の走者につなぐ第1中継所まで残り約300メートル。八千代松陰(千葉)の選手と首位争いをする中、レース前日に神山洋一監督から言われた「足がもげてもいいくらいのつもりでいけ」の言葉が頭の中で繰り返し響いた。驚異のスパートを見せ、2位に4秒差をつけて競り勝った。

 レースに出場した選手7人中、自身も含め1、2年生が4人いる。「今年の経験者が来年も多く残る。レースを糧にして6位に慢心することなく練習に励む」と誓った。

 ◆女子

粘って順位上げる 昌平

 2年連続2回目の全国大会出場となった昌平は21位でフィニッシュした。目標の8位入賞はかなわなかったが、徐々に順位を上げる粘り強い走りを見せた。

 1区の中根瑞稀選手(3年)は、スタート前こそ緊張があったものの走り始めると力が抜けた。「一人一人落ち着いて抜いていく」と言い聞かせ、27位で2区の四元桃奈選手(1年)にたすきを渡す。

 四元選手は全国大会前まで貧血に苦しんだが、「前に埼玉栄の選手がいたので絶対に抜いてやると思った」と力走を見せ、順位を維持。3区の鈴木ひらり選手(2年)は県予選でも見せつけた上り坂での強さを都大路でも発揮し、27位のまま4区の小松史佳選手(同)にたすきをつなぐ。

 「自然に力が出せた」と小松選手。下り坂で得意のスピードを生かすと4人を抜いて順位を23位に上げ、アンカーの金田理花主将(3年)に望みを託す。

 最後の都大路となる金田主将は、最後のトラックで1人をかわすなど計2人を抜き去り、意地の走りを見せた。浅賀一恵監督は「主将らしい走りをしっかりしてくれた」とねぎらった。

トラックで抜く、約束果たす 金田理花主将 昌平(3年)

 「トラックに入ったら一つでも順位を上げなさい」

 レース前、浅賀一恵監督から掛けられた言葉を胸に第4中継所に立った。たすきを受け取ったときの順位は23位。「絶対に抜いてやる」。心に決めて先を走る選手の背中を追いかけた。

 長距離を本格的に始めたのは中学生から。埼玉栄を3連覇に導いた名将、大森国男総監督が昌平にいることを知り、「全国制覇をしている指導者の下で力を伸ばしたい」と同校の門をたたいた。大森総監督の教えを受けながらめきめきと力を付けた。

 「最後の都大路で後悔はしたくない」。前を走る選手のリズムが遅いと見るやペースを上げて1人を追い抜き、トラックでも浅賀監督との約束通り1人をかわして執念の走りを見せつけた。「『できる』が自分の合言葉。後輩たちにその気持ちを伝えられたと思う」。満面の笑みで最後の都大路を後にした。

最後まで諦めずに 埼玉栄

 3年ぶり25回目の全国大会となった埼玉栄女子。1年生ながらエースの中村来知選手をけがで欠く苦しいレースとなったが、選手たちは諦めず最後まで走り抜いた。

 1区の山賀瑞穂主将(3年)は3年目にしてようやくつかんだ夢の舞台だった。序盤は2位集団に位置し、積極的な走りを見せた。「後半はきつかった」と26位でたすきをつないだが、唯一の3年生として後輩を鼓舞した。

 2区の蟹江きりの選手(1年)は「力強く走ろう」と言い聞かせて力走。13分40秒という記録に「納得のいくタイムではなかった」と悔しさをにじませたが、26位を維持した。

 3区の和田沙亜耶選手(同)は、同位置で走る昌平の鈴木ひらり選手(2年)について行った。「競い合う中で2人抜くことができた」と順位を押し上げる快走を見せたが、4区と5区で後続に抜かれ32位でフィニッシュした。

 山賀主将は「今大会で全国大会を最後にしてほしくない。都大路に連続して出られるチームになってほしい」と後輩たちにエールを送った。


 <埼玉栄の記録>2時間3分59秒=総合6位

1区(10キロ)     白鳥哲汰(2年)  29分16秒=区間1位

2区(3キロ)      脇坂進之介(3年)  8分22秒=区間6位

3区(8.1075キロ) 佐藤快成(1年)  24分 3秒=区間6位

4区(8.0875キロ) 宮坂大器(3年)  23分54秒=区間7位

5区(3キロ)      西田大智(1年)   8分53秒=区間10位

6区(5キロ)      久保田悠月(3年) 14分55秒=区間13位

7区(5キロ)      奥山颯斗(1年)  14分36秒=区間6位


 <昌平の記録>1時間10分22秒=総合21位

1区(6キロ)      中根瑞稀(3年)  20分34秒=区間27位

2区(4.0975キロ) 四元桃奈(1年)  13分41秒=区間27位

3区(3キロ)      鈴木ひらり(2年) 10分00秒=区間18位

4区(3キロ)      小松史佳(2年)   9分37秒=区間10位

5区(5キロ)      金田理花(3年)  16分30秒=区間17位


 <埼玉栄の記録>1時間11分57秒=総合32位

1区(6キロ)      山賀瑞穂(3年)  20分29秒=区間26位

2区(4.0975キロ) 蟹江きりの(1年) 13分40秒=区間26位

3区(3キロ)      和田沙亜耶(1年)  9分57秒=区間15位

4区(3キロ)      清水栞那(2年)  10分12秒=区間43位

5区(5キロ)      高田涼夏(2年)  17分39秒=区間53位