遊学館 飛躍につながる力走 男子17位、女子37位 /石川

毎日新聞

全国大会での石川県勢最高記録を9秒更新してフィニッシュした遊学館の7区・海田悠選手=京都市右京区の西京極陸上競技場で、岩壁峻撮影

 男子第69回・女子第30回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社、日本陸連、全国高体連など主催)が23日、京都市の西京極総合運動公園陸上競技場を発着点に行われた。男女そろって出場した遊学館は、男子が全国大会での県勢最高記録(2時間7分52秒)を上回る2時間7分43秒で17位と健闘した。女子は1時間12分33秒で37位。いずれも、新チームのさらなる飛躍につながる力走を見せた。【岩壁峻】

 ◆男子

県勢最高記録上回る

 3区のカランジャ・ジョスファット選手(2年)が持ち直したとはいえ、レースの半分を終えて1時間4分3秒の22位。森賀康裕監督は「県勢最高記録の更新は厳しいと思った」という。調整の充実ぶりを見込んでメンバーに選んだ5区の赤坂優人(2年)、7区の海田悠(3年)両選手の奮闘はうれしい誤算。指揮官は「正直ホッとしている」と明かした。

 スタート直後は2位集団にいた1区の町桟吾選手(3年)は、周囲がテンポを速めたことに「びびってしまった」。少しのためらいが影響し順位を落とす。2区の高場冬弥選手(2年)も後半に失速。カランジャ選手の負担は大きく、レース後は思わず「苦しかった」とつぶやいた。

 ただ、4区の杵渕竜弥主将(3年)が「ジョス(カランジャ選手)が作った流れをさらに上向かせたい」と奮い立ったことが好作用をもたらす。赤坂選手は「都大路の雰囲気にのまれた」と反省しながらも、19位を維持。6区の米林悠斗選手(2年)は設定記録(15分15秒)を8秒上回る会心の走りを見せた。

 海田選手は「自分の代でいい記録を出せたのが良かった」と、最初で最後の都大路で結果を残したことに感慨深げ。県勢最高順位(16位)の更新はならなかったが、「全国の舞台で走る面白さもあって足が動いた」という米林選手らの成長があれば、来年にもそれはかないそうだ。

後半の選手起用的中

 前半で上位に食い込むもくろみが外れた遊学館男子だったが、後半の選手起用が的中して、まずまずの記録をマークした。昨年に続き1区の町は、開始2キロでペースを上げる他選手に差をつけられ30位。快走を見せたのは、3区のカランジャ。記録こそ区間7位だったが、33位で渡されたタスキを11人抜きでつないだ。4区の杵渕が19位まで順位を上げると、5区の赤坂、7区の海田と県予選ではメンバー外だった選手もこらえて、最低限の目標だった10位台を維持した。

 ◆女子

見せた、攻めの気概

トラック勝負で青森山田の選手と競り合った遊学館の5区・宮地那奈選手(手前)=京都市右京区の西京極陸上競技場で、岩壁峻撮影

 この日メンバーに選ばれた宮地那奈主将と高畠聖選手、寺西心愛選手の3年生3人は、2016年の全国大会を走っている。経験ある上級生をそろえたことから、尾谷力監督は1区の炭谷綺乃選手(2年)に「無理を承知で行けるところまで行ってみよう」と声をかけた。現時点での能力を超えるペースを求めたのは、来年を見据えてのこと。勝負した結果の区間順位を、尾谷監督は責めることはなかった。

 後輩の遅れを取り戻すのが、3年生の腕の見せどころ。2区の高畠選手は「前半から飛ばしていこうと思った」。前半の上りで4人ほど抜いたものの、バテるのを織り込んだ上での賭けは結果的に失敗。それでも、攻めの気概は持ち続けた。4区を走るのは2度目の寺西選手は、小刻みなピッチ走法を心がけた上りでの戦略が奏功し、2年前の記録を約30秒更新。「当時より成長した」と、集大成のレースを振り返った。

 「流れを作れず、申し訳ない」と声を震わせた炭谷選手に、尾谷監督は「(来年に向けた)宿題をもらったのでは」と奮起を促す。3区を走った吉田実子選手(2年)と合わせ、今後のチームの核になることは確か。下位に沈んでも「ずっと前を見て走っていた」という宮地主将の姿も手本にしたい。

出遅れ徐々に挽回

 遊学館女子は出遅れを徐々に挽回した。1区の炭谷は序盤こそ集団走に食らいついたが、スタミナ切れで42位に沈むと、2区の高畠はさらに二つ順位を落とす。スピード区間の3区で吉田が41位まで上げ、2年前の全国大会も4区を走った寺西が今年度の3000メートル自己最高記録(10分6秒)を上回る9分54秒でタスキをつなぎ、38位に。5区の宮地はトラックでもスパートをかける勝負師ぶり。フィニッシュ直前で1人にかわされたものの、大きく崩れない走りで順位をさらに押し上げた。