美方力走 男子36位、女子57位 /福井

毎日新聞

レース最後のトラックで競り合う美方のアンカー、熊野颯大選手(中央)=京都市右京区の西京極陸上競技場で、塚本恒撮影

 京都市内で23日催された男子第69回、女子第30回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催)に、県勢は男女とも美方が出場した。20位台前半を目標に掲げた男子は2時間10分44秒の36位、40位台を目指した女子は1時間15分50秒の57位でフィニッシュした。男子は47校、女子は記念大会のため58校が出場した。目標には届かなかったが、師走の都大路をはつらつと駆け抜けた美方の選手たちには拍手が送られた。【塚本恒】

 ◆男子

3年生、走り光る

 20位台前半の目標に届かず、強豪校との差を見せつけられた男子だが、要所で快走を見せた。1区(10キロ)の広瀬啓伍選手(1年)は、序盤に集団から引き離され「全国の壁を感じた」。高低差のあるコースにも苦しみ、40位で2区(3キロ)の田鳥創太選手(1年)にたすきをつないだ。

 田鳥選手は前をゆく走者のペースに揺さぶられ、思うような走りができない。それでも順位を一つあげて後続に託したが、3区(8・1075キロ)の平林清澄選手(1年)も区間36位のタイムにとどまった。苦戦した1年生トリオに続く4区(8・0875キロ)の小島優輝選手(2年)も流れを変えられず、中盤の下り坂で背後から迫る相手に抜かれた。

 後半の3区間を委ねられた3年生は、光る走りを見せた。5区(3キロ)の時岡宗生選手はチーム最高の区間21位で順位は39位に。6区(5キロ)の谷口蓮主将も「3年生がレースをまとめる」と2人抜いた。7区(5キロ)のアンカー、熊野颯大選手は前を走る2人と競り合い、1人を抜いてフィニッシュ。「やれる仕事はやった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 ◆女子

粘り、食らいつき

苦しそうな表情を浮かべてフィニッシュする美方の田辺愛奈選手=京都市右京区の西京極陸上競技場で、塚本恒撮影

 号砲を告げる直前、1区(6キロ)の藤井結愛選手(2年)は「自分の力を試す時だ」との思いを胸にスタートラインに立った。各校のエースが走る“花の1区”を任されるのは初めて。「できるだけ食らいつく」。宣言通りの粘り強い走りで集団の流れに乗り、39位でたすきをつないだ。

 だが、2区(4・0975キロ)の高原さくら選手(1年)は区間56位で46位に。県大会でアンカーだった飯塚月美選手(2年)は距離の短い3区(3キロ)を走ったが「練習不足が響いた」。故障明けで後半は踏ん張り切れず、53位に後退した。

 4区(3キロ)でたすきを受けた加藤優奈選手(2年)は「前半でつぶれないように」と冷静な走りを意識。順位を三つ下げたものの粘りを見せ、アンカーの5区(5キロ)を任された田辺愛奈選手(2年)に最後を託した。

 田辺選手は他校と競り合う展開に持ち込んだが、終盤で追い抜かれて57位でフィニッシュ。涙をこぼしながら「来年は最高の力が発揮できるよう練習したい」と雪辱を誓う田辺選手を、久保田早恵主将(3年)らが出迎えた。

最後まで後輩支える 久保田早恵主将(3年)

笑顔でアンカーの田辺愛奈選手(右)を迎えた美方の久保田早恵主将=京都市右京区の西京極陸上競技場で、塚本恒撮影

 女子部員で唯一の3年生。3年間で一度も都大路の風を切ることはなかったが、レース後、後輩を出迎えた表情は晴れやかだった。

 同じ3年の女子部員は、春の県総体を最後に部を離れた。それでも「途中でやめるのは好きではない。駅伝をやりきる」と決めた。「私は速くない。でも私生活や練習の態度で下級生を引っ張ることができる」。最後の師走で出走メンバーから漏れても、主将として練習をけん引し、後輩たちを励まし続けた。

 23日は1区と5区を走る後輩をサポートした。沿道から声を振り絞って応援し、フィニッシュした田辺愛奈選手(2年)へは誰よりも早くベンチコートを持って駆け寄った。選手としてたすきをつなげずとも、主将として支える思いを伝えた。

 春、東京都内の大学に進む。一旦は陸上を離れ、「人を助ける身近な存在」という警察官を夢見る。「駅伝で人を支える経験ができた」。笑顔に達成感をにじませ、競技場を後にした。【塚本恒】