女子・長野東、全員の力結集 男子・佐久長聖、連覇逃す /長野

毎日新聞

 全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社、日本陸上競技連盟、全国高校体育連盟など主催)が23日、京都市右京区の西京極陸上競技場を発着点とするコースであった。女子(5区間21・0975キロ)では、長野東が安定した走り。5区で仙台育英(宮城)に競り勝ち、1時間7分51秒で2年連続の準優勝を果たした。連覇を狙った男子(7区間42・195キロ)の佐久長聖は前半で波に乗りきれず、2時間3分54秒で5位だった。【原奈摘】

 ◆女子

2年連続の準V

 競技場に戻り、仙台育英(宮城)にラスト200メートルで追いついた。アンカーの小林成美主将(3年)は「前へ前へ」と心の中で叫びながらスパート。最後の直線で振り切り、準優勝をつかみ取った。

 過去最高の2位となった昨年、1区区間賞だった和田有菜選手(現名城大)のようなエースはいない。新主将に選ばれた当初、「誰かを頼るのではなく、チームみんなで強くならないと」と悩み、自分のことよりチームにばかり意識が向いていた。その悩みを見抜いた和田選手から、卒業式で「競技を楽しむことを忘れないで」と手紙をもらった。肩の力が抜け、競技に集中できるようになった。

 チーム16人全員が入っている寮は、自宅と7キロほどしか離れていない。それでも「生活リズムを乱したくないから」と入学時に寮生活を選び、年3回しか帰らないほど、走りに全てを注いできた。寮では同じ物を食べ、練習について学年に関係なく話し合い、自身が理想とした全員が実力を持つチームができあがった。

 今大会も総合力を見せることができた。エース区間の1区で高松いずみ選手(2年)が飛び出した長崎商に続く2位集団と差のない9位で滑り出すと、2区・萩谷楓選手(3年)が7位に上げた。

 勝負の鍵になると見ていた3区・高安結衣選手(3年)は二つ順位を上げ、4区・小原茉莉選手(2年)は「私の走りでメダル圏内にしなければ」と区間賞の力走。2位に押し上げ、笑顔で小林主将にたすきを渡した。

 12月に入り、チームで決めた都大路のテーマは「駆け抜ける」。0・1秒も無駄にしないという意味だ。その言葉通りの走りをした小林主将は「チームのみんなや支えてくれた人が背中を押してくれた」と涙ぐみながら感謝を伝えた。

今年はうれし涙

 ○…留学生の集まる2区で区間6位の萩谷楓選手(3年)。1、2年の時は故障が多く、実力がありながら都大路は走れなかった。昨年、準優勝でフィニッシュした瞬間、「本当は自分が走りたかった」と悔し涙を流した。それ以降、ストレッチなどケアにも気を使いながら、自主練習で距離を延ばして力をつけた。しかし、今大会1週間前に右足の甲を痛めた。大会出場はできたが、準備不足となったことに悔いが残る。それでも力を出し切り、7位でたすきを渡した。昨年と同じ準優勝で、再び涙が流れた。「今年はうれし涙です」と泣き笑いだった。

 ◆男子

佐久長聖5位、連覇逃す

 エース区間の1区、松崎咲人主将(3年)が9キロ地点まで先頭集団をトップで引っ張った。先輩たちは3年連続で区間賞を取っていた。流れをつかむために自身も続くつもりだったからだ。しかし、埼玉栄と八千代松陰(千葉)の選手のラストスパートに屈して3位。「勢いづける走りができなかった」と責任を感じていた。

 佐久長聖では負担を軽くするため、主将はエース以外に任せることが通常だ。しかし、松崎主将は「エース」。高見沢勝監督が「走る背中でチームを引っ張れる」と指名した。

 しかし、新チームが本格的に動き出した4月、右けい骨を疲労骨折した。治るまでは他の選手とは別メニュー。「走りで引っ張るリーダーなのに」と一緒に練習できないことへの申し訳なさを感じていた。だからこそ復調した都大路ではエースとしてチームを引っ張るつもりだった。

 2区・伊藤大志選手(1年)が懸命に3位を守ると、3、4、5区も入賞圏内で懸命につないだ。初出場の6区・宮内斗輝選手(3年)はこれまでの気持ちをぶつけ、区間賞を獲得。最終7区の富田陸空選手(2年)が競技場内で九州学院(熊本)とデッドヒートを繰り広げ、わずかに及ばなかったが5位入賞は確保した。

 松崎主将は「富田は懸命に頑張った。みんながもう少しずつ力を出していれば」と冷静に分析。しかし、来年は都大路を経験したメンバーが5人残る。「悔しい経験も来年にいかして、上の順位を目指してほしい」とエールを送った。

「来年優勝狙って」

 ○…大会2週間前に右脚の付け根を痛め、メンバーから外れた浜野将基選手(3年)は、テレビ画面内の選手に「頑張れ」と声をかけ続けた。佐久長聖出身で、マラソンの日本記録を今年マークした大迫傑選手(ナイキ)に憧れ、神奈川県横須賀市から同校に進学。同校を初優勝に導いた先輩のように都大路での活躍を夢見てきた。5000メートルの持ちタイムもトップで、今年こそ初出場と意気込んでいたが、3年連続の不出場。走れなかった申し訳なさもあり、「今年の結果は気にせず、来年優勝を狙ってほしい」と厳しい表情だった。