都大路、ひたむきに 男子・高知農46位 女子・山田48位 /高知

毎日新聞

46位でフィニッシュする高知農の三浦祐真選手=京都市右京区の西京極陸上競技場で、小出洋平撮影

 男子第69回、女子第30回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社、日本陸連、全国高体連など主催)が23日、京都市西京極陸上競技場を発着点に開催された。県勢男子の高知農は2時間14分24秒で46位、女子の山田は1時間13分55秒で48位だった。熱い走りに、街頭やスタンドからは大きな声援と拍手が送られた。【北村栞】

 ◆男子

少しでも前へ早く

 花の1区では、昨年4区で区間最下位だった佐古田暁人主将(3年)が雪辱を果たした。「タイムはあまりよくなかったが、責任感を持って良い流れは作れた」と納得の表情。39位でたすきをつないだ。

 2区を担ったのは山本寛太選手(2年)。スピード勝負の区間で、後ろからハイペースで追い上げられ焦ったが「少しでも前に。抜かれた分も戻そう」と力を振り絞った。

 今年安定した走りを見せていた3区の森大志選手(3年)は、リズムに乗りきれず県予選より約1分遅れたが、最後は「苦しかったが少しでも早く渡そう」と踏ん張った。

 続く岩下桐人選手(2年)は初めて4区を任された。「やってやろうと思ったが集中力が続かなかった」と悔やんだが、8・0875キロを走りきった。

 5区は足を痛めて出場が危ぶまれていた門田雄誠選手(2年)が力走し「とにかく楽しかった」と笑顔を見せた。最後は応援の力を借りて次に託した。

 6区の徳弘直也選手(3年)は「後半にペースを上げたが、前半の遅さが響いて前を抜けなかった」が、悔いが残らないよう全力で最後の都大路を駆け抜けた。

 最終7区の三浦祐真選手(3年)は本調子ではないまま大会を迎えた。思ったより足は動かなかったが、雨が降る中、最後のトラックでギアを上げフィニッシュ。「今年アンカーとして走れてよかった」と話した。

 ◆女子

先輩の言葉に応え

48位でフィニッシュする山田の弘光美紅選手=京都市右京区の西京極陸上競技場で、小出洋平撮影撮影

 エース区間の1区を担ったのは大塚日真莉主将(3年)。途中からハイペースになったが「自分のペースを刻み、少しずつ前を拾っていこう」と冷静にレースを運び、28位でたすきをつないだ。

 アップダウンや曲がり角の多い2区では、沢本沙久羅選手(3年)が粘りの走りを見せた。序盤数人に抜かれたものの、落ち着いた走りで後半追い上げ、30位で3区へ。

 3区を任された中西みゆ選手(2年)は初めての都大路。抜かれても差を広げられないようにとだけ考えて前を追った。「自分を信じて走って」と思いを後輩の徳弘亜衣選手(1年)に託した。

 4区の徳弘選手は、県予選、四国大会と4区を走った西川莉愛(りね)選手(1年)が故障したため、急きょメンバー入り。プレッシャーもあったが、アンカーを務める弘光美紅選手(3年)に掛けられた「待ちゆうきね」の言葉を胸に、苦しみながらも3キロを走りきった。

 2年連続で最終5区を走った弘光選手は大会直前に足を痛め、痛み止めを飲みながらのレースになった。「普段緊張しないのに焦ってしまった」と悔しさをにじませたが、最後まで懸命に走り、フィニッシュした。

後悔するなら抜く 沢本沙久羅選手 山田・3年

山田の沢本沙久羅選手=京都市右京区の西京極陸上競技場で、北村栞撮影

 「遠慮するレースで後悔するなら前に行って抜いてやろう。後ろに下がるくらいなら前出ちょけ」。そう言い聞かせながら、積極的にレースを運んだ。最後の都大路も走ることを心から楽しんだ山田の沢本沙久羅選手(3年)は、すがすがしい表情を見せた。

 今年5月の四国インターハイ予選の後、股関節の疲労骨折で約3カ月間、練習ができなかった。「インハイでの走りも思い描いていた。やる気が途切れるくらい悔しかった」と振り返る。「今まで何をやってきたんだろう」と悩むこともあったが、「自分がやってきたことに無駄はない」と気持ちを切り替え、自分の体と向き合った。今の行動が先にどうつながるのか、チームにどんな影響を与えるのか。「今自分は何をすべきか」を冷静に考えられるようになった。

 四国大会で久々に2区を任された際には「久々の2区で楽しかった。飛ばしすぎたが都大路につながるレースはできた」と話していた沢本選手。レースを楽しむ姿勢は変わらない。この日はたすきを受け取った直後に数人から抜かされた。「去年なら焦ってタイムも落ちていた」と言うが、今年は精神的にも成長していた。落ち着いて自分の走りに集中すると、序盤に抜かされたグループが近づいてきた。「これは絶対にいける」。抜き返した瞬間、爽快感でいっぱいになった。

 沢本選手は来春から名門・岩谷産業で陸上競技を続行する。「新人戦で入賞したいし、駅伝で力になれるよう頑張る。応援してくれた人たちに走りで恩返しがしたい」と笑顔で話した。【北村栞】