女子 北九州市立、健闘10位 筑女、痛恨15位/男子 大牟田、涙の31位 /福岡

毎日新聞

 京都市の西京極陸上競技場を発着点に23日に開かれた男子第69回、女子第30回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催)。県勢は女子で3年ぶり9回目出場の北九州地区代表・北九州市立が1時間9分3秒で10位、4年連続25回目出場の県代表・筑紫女学園は1時間9分33秒で15位となり、いずれも入賞を逃した。男子は2年ぶり41回目出場の県代表・大牟田が2時間9分22秒で31位だった。【宮城裕也、安部志帆子】

 ◆女子

終盤まで入賞争い 「3年間やってきたことを出し切れた」 酒井、松本選手が1、2区で流れ

 北九州市立はこれまで、エース格の松本夢佳(ゆうか)選手(3年)、酒井美玖選手(1年)を前半と後半の区間に分けて配置するのが「定番」だった。だが、他の選手の調子が上がり、酒井、松本両選手を1、2区に並べ、レース序盤で勝負をかける作戦で挑んだ。

 1年生で重要区間の1区を任された酒井選手は「思ったより緊張しなかった」と、落ち着いたレース運びを見せた。2キロ地点で先頭2人が抜け出しても慌てず、最後のアップダウンで足に疲労がきた時も踏ん張って上位につけた。すると、2区の松本選手は前の集団に追いつき、残り1キロ地点で1人抜いて9位に。作戦通りの展開になった。

 3区の日吉鈴菜選手(3年)は長い上りでもペースを落とさず計3人を抜き、入賞争いに食い込む見事な走り。続く4区の野末侑花選手(3年)は「リズム良く走れた」。前半の上りを粘り強く走り切り、入賞圏内を維持した。混戦でたすきを受けたアンカーの山口真実主将(3年)も力走し、最終盤まで入賞争いを繰り広げた。

 目標の入賞には届かなかったが、全九州大会より32秒縮める大健闘をしたチーム。山口主将は「全員が3年間やってきたことを出し切れた」と語った。【宮城裕也】

松本選手「最高」

 ○…2区を走った北九州市立の松本夢佳選手。チームの柱と期待されたが、足のけがで本格的な練習ができるようになったのは11月の県大会1週間前。3年間の集大成をかけて挑んだ都大路では、順位を一つ上げて9位で走り抜けた。

 「一人で黙々と練習した日々が報われた。最高の舞台だった」と晴れ晴れした表情だった。

けが乗り越え 日吉選手「父の夢」快走

 3区の日吉鈴菜選手は、高校時代に都大路を目指していた父・健二さん(43)の期待を背に都大路を駆け抜けた。父が走りたかったコースを疾走した日吉選手は「集大成と言える走りを見せることができた」と笑顔を見せた。

 「いいぞ。腕振っていけ」。残り600メートル地点。得意の上りで勝負しようとした時、沿道から健二さんの声が聞こえた。「スイッチが入り力になった」。1人抜き、6位で4区にたすきをつないだ。

 いつも健二さんがさりげなく支えた。中学で陸上を始めたのも、九州国際大付属高で陸上競技をしていた健二さんの話を聞いていたからだ。「走る楽しさを教えてくれた父に憧れました」

 しかし高校入学後は故障に悩まされ、1、2年時は駅伝メンバーに選ばれなかった。健二さんもかつてメンバーに選ばれず、チームも都大路を逃した同じ悔しさを経験していた。一緒にレース映像を見て走りを分析し、学校に向かう車中でアドバイスした。どのレースでも、日吉選手が苦しいと思う地点で健二さんは声援を送った。

 駅伝メンバーに選ばれて臨んだ11月の県大会は、自身の腰のけがの影響もあり県代表は逃した。「けがをしたのによく走りきった。九州で勝てばいいけ」。気落ちしていた時にかけられた健二さんの言葉は「先の目標に向かう勇気になった」。そして全九州大会で代表切符をつかんだ。

 都大路でチームは入賞を逃したが、「憧れた夢舞台に連れて行ってくれ、力を発揮できた娘を誇らしく思う」と健二さん。日吉選手も「親孝行できたかな」と互いに感謝した。【宮城裕也】

筑女、痛恨15位 3年連続入賞ならず

 「後半で差を詰めよう」と走った筑紫女学園・1区の池田朱里選手(1年)だったが24位。2区・辻田翔子主将(3年)は「抜けるだけ抜こう」と7人抜きを見せた。3区の飯島理子選手(3年)は順位は保ったが「伸びのある走りができず、力不足を痛感」。悔しさを隠し、笑顔で「行け!」と4区・永長里緒選手(1年)の背中を押した。

 永長選手は、長尾育子監督も「頼もしい走りを見せてくれた」とたたえる区間3位の好走で3人を抜き、14位でアンカーへ。市原沙南選手(2年)も積極的に走ったものの、3年連続入賞はならなかった。

 市原選手は悔しげに「来年は力を付けて入賞する」。そんな市原選手に、辻田主将は「ありがとう」と声をかけた。【安部志帆子】

 ◆男子

大牟田、涙の31位 「通用しなかった」

 流れを決める1区の大切さを知る大牟田・浜地進之介主将(3年)だったが「思った走りができず、申し訳ない」。38位でたすきを受けた江口清洋選手(同)は「少しでもいい位置で3区に」と36位に上げた。吉冨純也選手(2年)も2キロ地点で1人、6キロ地点で2人抜いた。初の都大路を終え「強いチームで来年も戻ってくる」と誓った。

 4区の島崎昇汰選手(3年)は「自分が流れを変えてやる」と1人抜いたが、納得のいく走りはできず涙で目を赤くした。5区・林虎大朗選手(1年)は順位を更に一つ上げ、太田蒼生選手(同)も4人抜いて27位と意地を見せた。

 アンカーの足立一己選手(3年)も踏ん張ったが、「全国で通用しなかった」と苦しげにフィニッシュした。【安部志帆子】

〔北九州版〕