大分東明 男子、反撃も15位 女子、4位初入賞 /大分

毎日新聞

 男子第69回、女子第30回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社、日本陸連、全国高体連など主催)が23日、京都市の西京極総合運動公園陸上競技場発着のコースであった。4年連続でアベック出場した県代表の大分東明は女子が4位となり、初入賞を果たした。昨年14位からの躍進。エースのマータ・モカヤ選手(3年)を中心に粘りの走りを見せ、タイムも1時間8分4秒と昨年より1分53秒縮めた。昨年4位だった男子は、主力の熊谷奨選手(同)がけがで離脱したことが響き、15位の2時間6分46秒でフィニッシュ。目標だったアベック入賞は次の大会以降に持ち越された。【田畠広景】

 ◆男子

モゲニ選手25人ごぼう抜き

 調子はいいはずだった。主力欠場で最長の1区を任された2年のホープ遠入剛選手は「トップと10秒以内差」を目標にしていたが、気持ちだけで足が前に出ず、最初の数キロで徐々に失速。先頭集団から徐々に離され、33位でたすきを渡すことになってしまった。「レース展開はあまり覚えていません」とショックを隠しきれなかった。

 悪い流れは2区の萱島和選手(1年)にも伝染する。「追いかけなくてはと焦りすぎた」と序盤に力を出し過ぎ、途中でばててしまい35位に後退した。しかし、ここから東明男子の反撃が始まる。

 3区のエース、ベヌエル・モゲニ選手(3年)は「オーバーペース。最後に疲れた」とくやしがったが、それでも区間2位の快走で25人をごぼう抜きし、一気に10位へ。4区は予定されていた遠入選手に替わって抜てきされた庭瀬俊輝選手(1年)。「ペースがつかめなかった」と順位を六つ下げたが、なんとか16位でつないだ。

 初の都大路となった5区の塩田祥梧主将(3年)は「取り返してやろう」と最高学年の意地を見せ、3人を抜いて勢いを付けた。6区の後藤拓磨選手(同)も後半、疲れが襲ったが、粘りの走りで15位に踏みとどまった。7区のアンカー、河野友誠選手(2年)はトラックで、あともう少しで順位を上げるまで追い上げた。

 タイムは昨年より1分46秒遅くなり、入賞はできなかった。塩田主将は「悔しい経験を生かして次の大会につなげてほしい」と後輩に思いを託した。

来年は恩返しを

 ○…直前で左股関節を負傷した主力の熊谷奨選手(3年)に代わり最長10キロの1区を任されたのは、2年の遠入剛選手だった。告げられたのは直前22日。急きょの登板だったが、長い区間でも対応できるよう準備はできていた。熊谷選手からも「自分のペースで。遠入なら行けるよ」と声をかけてもらい、気合が入った。しかし、「気負いすぎた」。気持ちが空回り、トップと2分12秒差の33位。「体が動かなくなってしまった。来年も1区で走り、表彰台に上って先輩に恩返ししたい」と来年の都大路の健闘を誓った。 ◆女子

圧巻の走りで表彰台見えた

 圧巻の走りだった。5区のモカヤ選手は、チームの思いを胸に快足を飛ばした。2キロを超えると、さらにギアを入れ、スパート。次々とライバルをとらえた。8人抜きを果たし、4位でフィニッシュ。もう少しで表彰台にも届くかという歓喜の初入賞に笑顔がはじけた。

 「トップから1分以内差でモカヤへつなぐ」。これが東明女子の作戦だった。最長区間1区を任されたのは神田美沙主将(3年)。1年生に続き、2年ぶりの「エース区間」。「序盤は優勝候補の神村学園(鹿児島)の選手を意識して」先頭集団についていったが、2キロ過ぎから集団が加速すると、苦しい展開に。4キロ過ぎの急坂からは徐々に引き離された。しかし、初入賞に向けて必死に食らい付き、14位でのたすき渡し。目標タイムの20分をクリアし、「ラストはきつかったけれど、全力を出せた」。

 昨年の3区より長い2区を務めた磯部涼美選手(2年)は、区間30位と実力を出せなかった前回大会の悔しさをバネに力走。後半でやや失速したものの、順位を一つ上げた。初出場の3区、有田菜々美選手(同)は夏の故障から復調し、「上り坂も粘れた」と順位を二つ上げる快走を見せた。4区も初出場だった紀野愛実選手(同)。「体が重く自分の走りができなかった」と悔やむも、最後まで必死に足を動かし続け、トップと1分6秒差の12位でモカヤ選手にたすきを託した。

 「目指していた入賞を果たせてうれしい。来年は更に上位へ」。喜びを分かち合う選手たち。東明女子の新しい歴史が始まった。

ありがとう!ベストフレンド 神田美沙主将(3年)

 「モカヤありがとう」。4位でフィニッシュしたマータ・モカヤ選手(3年)に抱きついて泣いた。モカヤ選手も「ナイスファイト」とたたえ合う。女子最長6キロの1区を14位。目標タイム20分をクリア。初入賞の喜びと安堵(あんど)が入り交じった。

 1年の時も同じ1区を任された。中間の3キロ地点まで先頭から5秒差につけたが、後半に大ブレーキ。「全国と自分の実力差を痛感した」と区間34位に終わった。全国で戦えるようにと臨んだ2年目は、けがから万全な練習ができず、最終走者を任されて区間18位。「最後の今年こそ納得できる走りをしたい」

 主将も任された。仲良い雰囲気の中にも「互いに競争し合う」刺激をチームにもたらすため、「自分の走る姿を見せ、チームを引っ張る」と誓った。夏は長い距離を走ることにこだわり80~90キロを走り込み、坂道対策のため、久住の山道を繰り返し走った。

 モカヤ選手とは、1年から切磋琢磨(せっさたくま)してきた「ベストフレンド」。この日も「モカヤの負担を減らしたい」とラストの上り坂2キロも他チームのエースにくらいつき、チームに勢いをもたらした。たすきをつないだ後、テレビで祈るように観戦していると、親友は優勝した神村学園のカマウ・タビタ選手(同)に続く区間2位の快走を見せ、応えてくれた。「最後の都大路を楽しく走ることができた。みんなに感謝したい」。仲間とつかみ取った初入賞だった。【田畠広景】


 【男子の記録】 ※カッコ内数字は区間順位

1区(10キロ)     遠入剛      2年 31分28秒(33) 33位

2区(3キロ)      萱島和      1年  8分37秒(28) 35位

3区(8.1075キロ) ベヌエル・モゲニ 3年 22分59秒(2)  10位

4区(8.0875キロ) 庭瀬俊輝     1年 24分48秒(31) 16位

5区(3キロ)      塩田祥梧     3年  8分52秒(8)  13位

6区(5キロ)      後藤拓磨     3年 15分 8秒(20) 15位

7区(5キロ)      河野友誠     2年 14分54秒(15) 15位

 記録=2時間6分46秒


 【女子の記録】 ※カッコ内数字は区間順位

1区(6キロ)      神田美沙     3年 19分54秒(14) 14位

2区(4.0975キロ) 磯部涼美     2年 13分20秒(15) 13位

3区(3キロ)      有田菜々美    2年  9分49秒(12) 11位

4区(3キロ)      紀野愛実     2年  9分51秒(24) 12位

5区(5キロ)      マータ・モカヤ  3年 15分10秒(2)   4位

 記録=1時間8分4秒