丸刈り廃止の群馬・東農大二、2年ぶり都大路へ 屈辱が変革もたらす 全国高校駅伝

毎日新聞

2年ぶりの都大路へ調整する東農大二の選手たち。2年生の石田(右から3人目)を中心に大きな成長を遂げた=東農大二高グラウンドで2019年12月6日午後2時29分、生野貴紀撮影

 男子第70回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催)は22日、京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)を発着点に7区間42.195キロのコースで開催される。「スーパー中学生」と呼ばれた石田洸介(2年)を中心にチームを大きく変革した東農大二(群馬)が、2年ぶり28回目の都大路に戻ってきた。

 ドラスチックな改革に必要なのは「敗北」と「エース」の存在だった。2年ぶり28回目の都大路となる東農大二(群馬)は昨年、代表の座を逃したのをきっかけに大きく生まれ変わった。

 福岡・浅川中3年時に1500、3000、5000メートルの三つの「中学新」を記録した石田洸介(2年)。東農大二の指導方針にひかれ入学した「スーパー中学生」が、チームの大きな戦力になるはずだった。だが昨年の県予選で樹徳に敗れ、4年連続出場はかなわなかった。その差は17秒。距離にして約100メートルの差に涙した。

 「失敗した時ほどチームは変われる」。就任11年目の城戸口直樹監督(40)は覚悟を決めた。日ごろから大会を想定させるため、練習前のウオーミングアップ、練習場所への移動などを各自で決めさせた。集団で走ることはほとんどなく、ペースの上げ下げも自ら判断。長年伝統だった丸刈りの髪形も自由にした。

 自立を促す一方、選手間で意識の違いが生じやすくなるリスクもあった。そこで柱となったのが石田の存在だ。宗像直輝主将(3年)は石田について「自分の強さを過信せずに練習を大切にする。下級生でも見習うべきだ」と言う。城戸口監督は選手たちに「競技に向かうためのベース作りは、誰でも石田から学ぶことができる」と繰り返した。細かな準備にも気を抜かない姿勢は、他の部員の最良の手本になった。

 迎えた今年の県予選では2時間5分59秒の大会新記録で圧勝。昨年は伸び悩んだ石田も、11月の記録会の5000メートルで自己新の13分51秒をマークするなど調子を上げて本番を迎える。「やってきたことを信じるだけ」と石田。8大会ぶりの8位入賞を目標に、改革は間違いなかったと証明する。【生野貴紀】