チーム紹介/下 女子 白鷗大足利(6年連続6回目) 故障越え、強い気持ちで /栃木

毎日新聞

坂道でロードワークをする白鷗大足利の選手=栃木県足利市名草下町で

 トラックレースとなった11月の県駅伝。白鷗大足利は最終5区のスタート時、1位の那須拓陽に12秒差をつけられていた。それでも、アンカーの古橋佳奈主将(3年)は落ち着いていた。「自分で決める」。軽快にピッチを刻み、中盤でトップグループから抜け出して加速。最後は2位に40秒差をつける大逆転勝利を収めた。

 レース後、藤生康徳監督は泣きながら6連覇を喜ぶ選手たちを見て、「アクシデントが相次いだ苦しいシーズンで、楽には勝てないと思っていた。これまでで一番苦しかったレースだった」と明かした。

 古橋選手が左脚を疲労骨折したのは、3月下旬だった。昨年の都大路も経験したチームの大黒柱。「キャプテンらしいことができず焦り、悔しさがあった」。仲間が走っている間、自転車やプールでトレーニングをして体力を落とさないように努めた。全国高校総体を欠場するなど上半期を棒に振った。

 他の選手もトラブルが続いた。梅村光理選手(同)は春先にすねを疲労骨折。昨年の県駅伝で区間賞を獲得した平田梨恋選手(同)はシーズンを通して故障が続き、800メートルで全国総体に出場した飯塚遥香選手(2年)も調子が上がらなかった。

 ただ、苦しいチームの中で成長した選手も多かった。今季新設された主将らを補佐する学年ブロック長になったエースの藤原唯奈選手(同)は、意識が大きく変わった。元々責任感は強かったが、「自分に何が足りないかを考えて走るようになった。みんなの見本にならないといけない」と練習に臨むようになった。

 万全のオーダーが組めない中、他校も力をつけており、県駅伝では例年以上に接戦が予想された。藤生監督は県駅伝の前に1キロ3分40秒ペースで8000メートル走をする回数を増やしてチームの底上げを図り、ここで台頭した太田瞳選手(1年)が県駅伝2区で2位と好走するなど、新戦力もチームを支えた。

 「1時間10分23秒」。選手が過去のデータや各自の持ちタイムから算出した都大路での目標タイムだ。このタイムを出せば、チームのもう一つの目標である「10位台」も見えてくる。

 度重なるアクシデントを経験して強くなった選手たち。古橋主将は「相手の方が力が上だったとしても、気持ちでは絶対に負けないと心に決めて走りたい」。大逆転を生んだ強い気持ちを都大路でもぶつける覚悟だ。【玉井滉大】


 ◆メンバー表

監督 藤生康徳(55)

古橋佳奈<3>  10分20秒 5

梅村光理(3)   9分57秒 4

舟川さくら(3) 10分10秒

藤原唯奈(2)   9分38秒 1

山口あずさ(2)  9分58秒 3

大出茉穂(2)  10分18秒

太田瞳(1)    9分56秒 2

島田愛香(1)  10分 6秒

 ※左から氏名、学年(白抜きは主将)、3000メートルの今年度ベスト記録(大会申告書に基づく。1秒未満は切り捨て)、県駅伝の区間