チーム紹介 女子・鯖江 全国見据え、練習に工夫 /福井

毎日新聞

学校のグラウンドを走る鯖江の選手ら=鯖江市の鯖江高校で、横見知佳撮影

 1、2年生を中心としたチームで11月の県予選では2~4区の2年生3人が区間賞の走りを見せ、7年ぶりに都大路への切符をつかんだ。県勢は近年、全国大会で40番台の成績が多く、それ以上の結果を残そうと練習を重ねる。

 2018年に佐藤拓監督(38)が着任し、全国大会でも好結果が出せるように長期的な視野で練習メニューを組み立ててきた。

 昨年は、チーム全体で一定のペースを保ちながら走るなど基礎的な練習メニューが中心だった。こうした単調な練習ばかりさせたのには「強くなるためにもっといろんな練習をしたいと選手自身に感じてほしかった」という佐藤監督の意図があった。

 昨年は全国大会を逃したが、「もっと強くなりたい」「都大路に出場したい」と今年に入って選手たちの目標に変化が出てきた。

 今年はレースを想定し、さまざまな状況でも対応できるよう練習に工夫を取り入れた。起伏がある都大路のコースに対応できるよう、学校近くの西山公園の坂道を駆け上がったり、アスファルトの道路で走ったりと、全国大会を見据えた練習を増やした。

 11月の県予選について佐藤監督は「全国大会に出場したいという思いが強く出たレースだった」と振り返る。1区で出遅れたが、2~4区の藤田百詠選手、道屋瑠美奈選手、漆崎乃愛選手の2年生3人の頑張りでトップに躍り出て都大路への切符をつかんだ。

 佐藤監督は「1、2年生には来年、再来年につなげる第一歩にしてほしいが、30番台は不可能ではない」と手応えを感じている。【横見知佳】

トラウマ払拭、一歩踏み出す 伊藤華選手(3年)

鯖江の伊藤華選手=鯖江市の鯖江高校で、横見知佳撮影

 11月の県予選でアンカーとして後輩がつないできたたすきを待つ間、中学時代に全国大会出場を逃したことを思い出し、体が硬くなった。それに気づいた監督の言葉で落ち着きを取り戻し、トップでゴールを駆け抜けた。トラウマを払拭(ふっしょく)できた瞬間だった。「肩に力を入れずにリラックスして走れるようになった」と晴れやかな表情を見せる。

 全国への切符をかけた中学3年の県大会。アンカーで1位でたすきを受け取ったが、中継点から800メートル地点で後続に抜かれてしまい、全国の夢が絶たれた。

 高校では中学時代の悔しさを胸に練習に励んだが、レースで追われる展開になると不安が頭をよぎり、結果を残せなかった。

 迎えた県予選でも直前に当時のことを思い出し、体がこわ張った。その様子に気付いた佐藤監督に「自分の走りをしよう」と声をかけられ、前向きな気持ちで中継地点に立てた。後輩がつないだ1位のたすきを受け取ると順位を保ったままフィニッシュ。一歩前に踏み出せた。

 都大路に向けて、左右に振れる腕の動きをより推進力を生む前後の動きに変えるよう見直している。「全国大会では今年が新しいスタートだと思える走りを目指す。もし抜かれても自分のリズムを保ちたい」。弱点を克服したその目には自信があふれている。