あす号砲 男子・中越、挑戦重ね都大路へ/女子・新潟明訓、合言葉胸に楽しく /新潟

毎日新聞

 男子第70回、女子第31回全国高校駅伝競走大会(日本陸上競技連盟、毎日新聞社など主催)が22日、京都市である。県大会で優勝した男子・中越(長岡市)が2年ぶり15回目、女子・新潟明訓(新潟市江南区)が4年ぶり8回目の県代表として都大路を駆け抜ける。2校の今大会に懸ける思いを紹介する。【露木陽介】

ランニングをする中越の選手=長岡市新保町で、露木陽介撮影

 ◆男子・中越

県大会で優勝し、2年ぶり15回目の全国大会に挑む中越の選手=新潟県弥彦村のサンビレッジ弥彦で

挑戦重ね都大路へ

 圧倒的な実力差で県大会を制した中越。10月の県大会では2位と3分近くの差をつけてゴール。11月の北信越大会でもタイムを30秒近く縮め、チームの調子は上向いている。

 優勝候補として臨んだ昨年の県大会はまさかの2位。4大会連続の都大路出場を逃した。加藤歩夢主将(3年)は「今までと同じことをしていたらダメ。あいさつなど小さなことでも徹底して取り組んだ」と振り返る。チームを指導する渡辺裕人監督(36)とノートでやりとりする日誌も、今年は例年以上に力を入れた。その日の良かった部分や改善点を書き込み、目で見て分かるようにしてきた。

 今年のチームは下級生の選手が多いのが特徴だ。「下級生が多い分、新しいことに挑戦できている」と加藤主将は分析する。例えば練習前のウオーミングアップ。今年から、全体で声を合わせて取り組む種目に変えた。声を一つにすることで、まとまりをより意識できるようになった。「目標は全体での20位台に入ることと、タイムを2時間7分台にのせること。練習以外の場面でも常に陸上に向き合って(北信越大会の2時間12分台から)あと5分を削りたい」と意気込む。

 復活の原動力となったのが、チームのもう一人の3年生である丸山真孝選手だ。県大会では3区で、2位と約1分半の差をつけ、勝利をほぼ確実にする区間賞の快走を見せた。チームでは唯一の都大路経験者で「試走では分からない都大路の細かな部分までアドバイスできる」と頼もしい存在だ。

 自他共に認めるチームのエースも、最近は腰のけがなど度重なる故障に悩まされた。「(けがをしてから)アップから体を大きく動かせるように、朝練習の15分前からストレッチなどで体をほぐすようになった。腰に負担をかけるフォームも見直してきた」と話す。渡辺監督も「腐らずにやれる選手。よくくじけずがんばった」とその努力を評価する。「1区から先頭集団に食らいつきたい。上に行けば行くほどタイムも順位も良くなるはず」と2度目の都大路での活躍を誓った。

 そんな選手らをこれまで強力に後押ししてきたのが中越伝統の応援歌「越高音頭」だ。夏の甲子園出場11回を誇る硬式野球部のチャンステーマを、レース前に全員で歌うのがチームのルーティン。加藤主将も「チームのモチベーションが上がる」と笑顔だ。今回は節目となる15回目の出場。チーム一丸で歴史に新たな一ページを加える覚悟だ。

全国大会へ向けて調整する新潟明訓の選手=新潟市江南区の同校グラウンドで、露木陽介撮影

 ◆女子・新潟明訓

県大会優勝を決め、4年ぶり8回目の都大路を駆ける新潟明訓の選手=新潟県弥彦村のサンビレッジ弥彦で

合言葉胸に楽しく

 前人未到の県大会7連覇を達成したのは4年前のこと。黒地に赤ラインの入った伝統のユニホームが、冬の都大路に久々に帰ってきた。10月の県大会では、昨年の都大路に北信越地区代表として出場した新潟第一との残り直線300メートルのデッドヒートを制し、全国への切符をつかんだ。

 喜びもひとしおなのがアンカーを務めた山岸みなみ主将(3年)だ。「高校の女子駅伝といえば明訓」と憧れて入学。しかし過去3大会は結果が残せず、全国の舞台から遠のいており「明訓で都大路に出場するという目標がやっと達成できた」と話す。

 「今年のチームは明るくて仲が良いのが特徴」と分析。「学年関係なくみんな話すのでいつも楽しく練習できている」という雰囲気の良さが強さの秘訣(ひけつ)だ。この雰囲気を作り出しているのが、月1回の目標ミーティングと練習後の振り返りの時間だ。近年「力があるのに勝ちきれない」という現状を打破しようと、自らが提案。選手個人が考えていることを全員で話し合って共有し、チーム力を向上させてきた。「互いを思いやれるチームになってきた」と手応えも十分だ。

 2006年からチームを指導する深滝敬監督(74)も「まとまりのあるチーム。トラブルも聞いたことがない」と選手たちに信頼を置く。

 深滝監督独自の練習への考え方も選手を支えている。基本的なスタンスは「どれだけ楽に走るか」だ。夏に妙高市や長野県・菅平で実施した合宿も日程は必ず2泊3日。「3泊してまでやると走りすぎて疲れてしまう。(選手の)疲労も回復しにくい」という。それでも1日に20キロほどを走り込むことで、十分なスタミナと長い距離にも自信を持たせた。「慌てないで気持ちよく楽しく走れるのが一番」と指揮官は笑顔で話す。

 選手たちのモチベーションを保つのにも深滝監督は一役買っている。それはチームの合言葉を作ることだ。「言葉で平常心を保ってくれれば」と毎年考えているという。今年は「あねかおよし」という言葉をスローガンにした。▽あきらめない▽粘る▽勝ち気▽落ち着いて走る▽弱みを見せない▽心配しない、集中する、信じる――の頭文字を取ったものだ。山岸主将も「練習前も大会前もみんなで確認している。苦しいときに思い出す」と言葉の効果は絶大だ。

 駅伝必勝のエッセンスを盛り込んだ合言葉を胸に、8回目の都大路で20位台のゴールと1時間11分24秒の県勢最高記録の更新を狙う。

リアルタイムで開会式やレース展開を速報

 毎日新聞ではニュースサイト(https://mainichi.jp/miyako-oji/2019/timeline/)で22日のレース展開をタイムラインで速報する。また、レース前日の21日には、開会式の様子や選手・監督のコメントなども随時伝える。


過去10年の県勢順位

 ■男子

 2009年 東京学館新潟 48位

   10年 村上桜ケ丘  46位

   11年 中越     34位

   12年 中越     36位

   13年 中越     36位

   14年 関根学園   44位

   15年 中越     48位

   16年 中越     31位

   17年 中越     29位

   18年 開志国際   24位

 ■女子

 2009年 新潟明訓   33位

   10年 新潟明訓   37位

   11年 新潟明訓   31位

   12年 新潟明訓   42位

   13年 新潟明訓   53位

   14年 新潟明訓   37位

   15年 新潟明訓   51位

   16年 新潟産大付  42位

   17年 新潟産大付  37位

   18年 新潟第一   41位

       新潟産大付  42位