女子・仙台育英、留学生不在乗り越えチーム一つに 序盤から快走、ライバルに雪辱

毎日新聞

1位でフィニッシュする仙台育英の木村=たけびしスタジアム京都で2019年12月22日、猪飼健史撮影

 女子第31回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催、SGホールディングス特別協賛)は22日、京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)を発着点に5区間21・0975キロのコースで開かれ、仙台育英(宮城)が2年ぶり4回目の優勝を果たした。優勝4回は豊川(愛知)に並ぶ歴代最多タイ。

 3区から4区につなぐ第3中継所直前。仙台育英の清水が優勝候補・神村学園の黒川を抜き去り、トップに躍り出た。「(神村学園に)10回に1回勝てるかどうか」と思っていた釜石監督が優勝を確信した瞬間だった。

 後半勝負を想定していた釜石監督にとって、2区間を残しての逆転はうれしい誤算だった。立役者になったのは1区を担った2年生の小海だ。5・5キロ付近で和歌山北の小倉と先頭に立つと、一度は引き離されながらも中継所直前で抜き、トップでたすきをつないだ。「勢いをつけるためにも区間賞を取りたかった」と小海。1区14位と振るわなかった神村学園に34秒差をつける快走だった。2区での後退は想定内。抜かれた神村学園との差はわずか6秒しかなく、実力者の木村を最終5区に配置した仙台育英にとっては、まさに理想的なレース展開だった。

 28回目の出場にして、初めて日本選手だけで挑んだ大会は新たな挑戦でもあった。エース格だったケニア人留学生のムソニが8月に右大腿(だいたい)骨を骨折。全治1年の重傷で、チーム内に暗い空気が広がった。釜石監督も、その後の合宿で「(都大路優勝の)目標を変更するか話し合ってくれ」と選手に伝えたほど。だが、選手たちがミーティングで出した結論は「優勝を狙う」だった。

 主将で5区の木村は「(ミーティング以降)目的意識を持って練習するようになった」と明かす。さらに学年の垣根を越えて話し合ったことで「仲間意識が芽生え、チームが一つにまとまった」。伸び悩んでいた小海も木村からアドバイスを受けて、今月に入り1年ぶりに自己記録を更新するなど急成長した。

 神村学園に敗れて、連覇を逃した前回大会から丸1年。チームの危機を乗り越えた先に、2年ぶりの栄冠が待っていた。【大東祐紀】