全国高校駅伝 仙台育英、男女V

毎日新聞

 京都市で22日に行われた男子第70回、女子第31回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社、日本陸上競技連盟など主催)で、仙台育英(宮城)が男女同時優勝を果たした。男子は12年ぶり8回目、女子は2年ぶり4回目。男子の菊地駿介主将(3年)は「(男女同時優勝を)目指してきた」、女子の木村梨七(りな)主将(3年)は「私たちにとってすごく歴史的なこと。今までの陸上人生で一番うれしい」。男女の選手たちは、二重の喜びにわいた。【藤田花、松浦吉剛、荻野公一】

ガッツポーズする兄・吉居大和選手(左)と弟・駿恭選手=いずれも、たけびしスタジアム京都で22日、藤田花撮影

 ◆男子

兄弟で勝利のたすき

 12年前の前回優勝時と同様に、トラック勝負を制した男子。最終7区の中継所で待機していたアンカー・吉居駿恭(しゅんすけ)選手(1年)のスマートフォンに、3区を区間8位で走った兄・大和選手(3年)からメッセージが届いた。「最後まで諦めるな。楽しんでいけ」

 吉居兄弟は愛知県田原市出身。「兄が成長した仙台育英で、自分も強くなりたい」と兄の後を追った。「競技に対する姿勢に共感でき、レベルの高い練習が一緒にできる」。そんな兄に近づこうと練習に励んだ。一方、大和選手は「駿恭は勝負強さがある」。レースの流れを見極めるセンスはチーム内でも認められ、兄弟で挑む都大路で弟はアンカーを任された。

 1位の倉敷(岡山)と5秒差の2位でたすきを受け取った。兄やチームの期待を乗せて、たけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)のトラック勝負に持ち込み、残り300メートルからスピードを上げて振り切った。

 歓喜に浸る兄弟。しかし「兄だったら、もっと前半で積極的に走っていた」。全国制覇のフィニッシュテープを切って、偉大な兄への挑戦心が改めて、ふくらんだ。

1位でフィニッシュし、奈良綾乃副主将(左)とエスタ・ムソニ選手(右)に迎えられる木村梨七主将

 ◆女子

「目標優勝」で一つに

 女子の優勝テープを切ったのは、2年前と同じ木村梨七主将(3年)だった。両手を上げてゴールした木村主将を、裏方で支えた同じ3年のケニア人留学生のエスタ・ムソニ選手と奈良綾乃副主将が、涙を流しながら迎えた。

 主将として「諦めの境地」からチームをけん引した。最大の危機は今夏だった。主力だったムソニ選手が右足を故障したことで、8月の合宿でもチームの士気が下がり、意思疎通もうまくいかなくなった。「優勝以外の目標を立てたらどうか」。釜石慶太監督から告げられ、1週間ほど選手で話し合いを重ねた。優勝を諦めたくない。そう結論が出れば、都大路に向けて一丸となるだけだった。

 「人に指示をするのが苦手」。沈んだムードを、練習への真面目な姿勢など、背中で引っ張った。意見交換や反省点の確認などは奈良副主将がフォローした。奈良副主将は「(主将は)誰よりも陸上のことを分かっている」と一目置く。

 「諦めなければ優勝という結果を出せると後輩に示すことができた」。2年前とは違い、主将としてたどり着いた勝利に、笑顔を輝かせた。