感謝伝える快走 女子2位・神村学園 自分中心、変えた恩人 女子3位・筑紫女学園 文武両道、支えた仲間

毎日新聞

レース後、笑顔で語り合う中須瑠菜主将(左)と足立有希さん=京都市右京区で2019年12月22日、林壮一郎撮影

 京都市で22日に開かれた全国高校駅伝競走大会。女子で2位となった神村学園(鹿児島)、3位となった筑紫女学園(福岡)の主将は、いずれも感謝の思いを胸に師走の都大路を全力で駆け抜けた。一方、男子も九州学院(南九州・熊本)が4位に入るなど九州勢4校がベスト8入りを果たした。【林壮一郎、石井尚】

 神村学園の中須瑠菜主将(2年)は、独りよがりだった自分に大切なことを気付かせてくれた合宿地・大分から駆けつけてくれた「母」の声援を受け、懸命にトップを追った。

 昨年、今年と神村学園は、人口わずか37人の大分県竹田市久住町の小さな集落の公民館を改修した宿舎で夏合宿を実施した。普段は地元中学校に事務職員として勤務する足立有希さん(27)が約40日間の合宿の食事メニューを考え、地域の人たちが調理を担当した。

 厳しい練習で互いに競い合う選手の話し相手にもなってくれた足立さん。それまでは「自分さえ走れればよい」と考えていた中須主将だったが、夜遅くまで自分たちの食事の後片付けをしてくれる足立さんの姿を見るうちに思いが変わった。「チームのために走ろう」

 最終5区の中須主将は2位でたすきを受けたが、トップに惜しくも19秒及ばなかった。それでも沿道で応援した足立さんは「歯を食いしばって走っている瑠菜ちゃんの姿を見て涙が出た。よく頑張ったと思う」。中須主将は「有希さんの声が聞こえて頑張りたかったが、体が動かなかった。来年は絶対に優勝したい」と前を向いた。

レース後、後輩と抱き合い頰をなでる市原沙南主将(右)=京都市右京区で2019年12月22日、石井尚撮影

 一方、筑紫女学園の市原沙南(さな)主将(3年)は、競技生活最後の舞台として3年連続となる都大路を力走した。将来の夢は中学校教師。チームは3年間で最高の3位入賞を果たし、「みんなから大きな贈り物をもらった」とチームメートと抱き合った。

 陸上と勉強との両立を目指し、授業で遅れて途中から練習に参加することもあった市原主将。今大会は4区を任され、区間5位の快走で順位を一つ上げて3位とし、主将の自分を支えてくれたアンカーの2年生にほほ笑み、「笑顔で」と声をかけてたすきを渡した。

 年明けにはセンター試験を受験する。「駅伝ってチームの絆が大事。学校の先生になって陸上を教え、自分の経験を伝えていければいいな」。チームを3位入賞に導き、笑顔で競技場を後にした。