日曜朝刊「先週のピックアップ」で取り上げた記事をまとめています。
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50万円で海外への修学旅行は「格差」生む? 背景に特有の事情
2023/9/21 07:00 1983文字東京都港区は2024年度以降、区立中学3年生の修学旅行先を海外とする方針を決めた。初年度に見込む事業費は約5億1000万円。多額の公費を投入する背景には、港区が抱える特有の事情がある。【金森崇之】 ◇国際人育成を目指す特区 麻布、白金……。全国でも有数の高級住宅街がある港区は、人口約26万5000
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ルポ路上売春 2023年の歌舞伎町から
「500万円のタワー」ねだられ週7で風俗 待っていた裏切り ホストの沼/2
2023/9/20 16:01 2006文字警視庁は2022年までの5年間、歌舞伎町で売春防止法違反(客待ち行為)容疑で延べ201人の女性を逮捕した。 路上で客を待つ女性の中には、職を失った女性や日々の暮らしに窮するシングルマザーもいるが、ある捜査関係者は「(逮捕者の)7~8割がホストや地下アイドルに貢ぐためだった」と明かす。 「まだ掛けが
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AI新時代
「生成AIに聞けるので」と値下げ求められ "士業"壊滅 に危機感
2023/9/19 07:00 2883文字急速に発展する対話型の生成AI(人工知能)は人間の仕事を奪うのか。こうした懸念が、会計士や行政書士など、高度な専門資格を必要とする「士業」にも広がっている。一方、民間企業には導入に前向きな声も多い。不安は杞憂(きゆう)なのか。だとすれば、どこまで任せることができるのか。 AIの進化は私たちの社会
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消防団員のホンネ
「消防団の報酬返せ」市議同士が法廷バトル “幽霊”問題で対立?
2023/9/13 16:01 2820文字「私の報酬を返せ」――。消防団員の報酬を巡り、市議が同僚市議を訴える異常事態になっている。かつては同じ消防団のメンバーで、市議会で同じ会派にいたこともあるという2人に何があったのか。法廷バトルの背景には、全国で横行する消防団のずさんな会計処理や「幽霊消防団員」の問題が見え隠れする。【金森崇之】 ◇
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サカナ新時代
サーモン生み出す巨大な「プラント」 日本各地で続々と建設計画
2023/9/13 08:00 2564文字私たちの身近にある海や魚を通して、気候変動や社会の問題に迫る連載企画「サカナ新時代」。第2部では「養殖」を取り上げます。世界的に漁による漁獲量は頭打ちの一方で、世界人口の増加や魚食の流行で需要は高まっており、養殖に注目が集まっています。現場を歩くと、養殖の新しい動きや、さまざまな課題が見えてきまし
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博多駅延伸「ここまで混むとは」 見抜いた西鉄バスと困惑の地下鉄
2023/9/13 05:30 2514文字3月に福岡・天神地区から博多地区まで延伸開業した福岡市地下鉄七隈(ななくま)線で、混雑が深刻化している。市交通局は例年なら3月のダイヤ改正を、半年以上も前倒しする異例の対応を断行。「ここまで混むとは…」。担当者が思いもしなかったこの事態、なぜ起きたのか。 「通勤時間帯は毎日、かなりの満員で、車内で
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この国が縮む前に
「お国柄の違い」にどう対応 外国人トラック運転手に賛否も
2023/9/12 06:01 1909文字深刻な労働力不足に苦しむ運送業界が、外国人材に活路を求め始めた。背景には、運転手不足で路線バスの減便が進むなど、私たちの日常生活にも影響が出始めている現状がある。現行制度のもと、国の動きに先んじる形で外国人の雇用に踏み切った企業もあり、ドライバーを「特定技能」の対象とすることに業界の期待は膨らむ。
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「餓死すればキリストに会える」数百人を集団死させたカルト教団の闇
2023/9/6 06:00深掘り動画あり 5375文字アフリカ東部ケニアの森の中で、キリスト教系の新興宗教団体が「餓死すればキリストに会える」と多数の信者を死に追いやっていたことが今年3月に発覚し、カルト宗教を巡る大きな社会問題となっている。見つかった遺体は子供や女性を中心に400人を超え、現在も発掘作業が続く。警察の捜査を突き動かしたのは、脱出した
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痩せるつもりだったのに…事故多発、実は危ないエステ超音波施術
2023/9/4 16:00 2458文字夏の沖縄旅行を前に、体を引き締めるつもりだった。 会社員の女性(28)は昨年6月、東京都内のエステサロンで、ある施術を受けた。 機器を肌に当てるだけで、小顔や痩身(そうしん)の効果が期待できるという触れ込みだった。美容クリニックなどの医療機関だと1回数万円もするが、このエステでは1回1万円程度と割
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ブスなんていない? 「ルッキズムをぶっ潰す」漫画が描くモヤモヤ
2023/9/3 09:00 3406文字ブスなんて言わないで――。そんなタイトルの漫画が話題を集めている。単行本の帯には<「ルッキズム」を、ぶっ潰す。>の文字。多様性をうたうミスコンや容姿いじりの笑いなどに斬り込みながら、見た目で人を評価したり差別したりする風潮を問う群像劇だ。 「ブス」が「美人」への復讐(ふくしゅう)を誓うところから始
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根拠ある? 北関東が低迷 都道府県魅力度ランキングを丸裸にする
2023/9/3 07:00 2530文字「都道府県魅力度ランキング」というデータがある。上位の自治体は喜び、下位が指定席のようになった知事からは「法的措置も辞さない」と物騒な発言が飛び出す。今年のランキングは10月中旬に発表される予定。民間調査会社による「格付け」はなぜこうも話題になるのか。そもそも地域の魅力とはいったい何か。 ◇不満ぶ
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自分の唾を出してコロナ補助金申請 検査事業巡り巨額不正の告発
2023/8/30 05:30スクープ 1515文字自分の唾を吐き出し、検査をしたことにして政府の補助金をだまし取ろうとする――。新型コロナウイルス感染症が拡大していた時期に、町中のあちらこちらで見かけた「無料検査所」。神奈川県の検査所では、従業員たちによる不正まがいの行為が横行していた。1日で2000万円を荒稼ぎする日もあったという。毎日新聞はそ
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性暴力を許さない
「反日」「しかたがない」性被害のDJ SODAさんに筋違いな攻撃
2023/8/29 06:30 2812文字声を上げる性暴力被害者へのバッシングはなぜ絶えないのか。韓国の女性DJ「DJ SODA」さんが大阪の音楽イベントで胸を触られるなどの被害を受けた問題が波紋を広げている。主催会社が観客の男女3人を不同意わいせつと暴行の疑いで刑事告発する一方、SNS(ネット交流サービス)ではSODAさんの服装や国籍に
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政府のマイナ保険証導入で閉院決めた歯科医の事情と意外な結末
2023/8/28 11:00 2124文字政府のマイナ保険証導入方針により、閉院の時期を早めた歯科医がいる。読み取り機器の購入やインターネット環境の整備などで費用がかかり、個人情報のひも付けミスなど相次ぐトラブルで業務の負担が増える懸念があるためだ。25年にわたって地域医療を支えた歯科医院を来夏にたたむ決意をした男性歯科医(65)に去来す
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事故は「無罪」 なのに運転免許は戻らない 再び裁判の不条理
2023/8/27 12:00 2395文字交通事故を巡る刑事裁判で無罪判決が確定した。なのに、取り消された運転免許は戻ってこない――。福岡市の会社員女性(45)が免許取り消し処分の無効確認を求め、法廷闘争を続けている。女性はシングルマザーとして運送の仕事で2人の子どもを育ててきたが、事故を境に人生や生活は大きく変わってしまった。事故から6
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「マンションが傾いている!」 交渉25年、欠陥をどう認めさせたか
2023/8/23 11:00 3281文字コロコロとビー玉が転がる床。ゆがみで開きにくい窓やドア、ひび割れた壁……。数千万円で手に入れた新築マンションは明らかに傾いている。だが、販売業者は「欠陥はない」の一点張り。こんな時、どう対処したらいいのか。実際のトラブルを取材してきた記者が、問題解決のヒントを探った。【平塚雄太】<目次>・くい8本
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経済指標GDPに見直しの動き 動画や家事の価値も反映?
2023/8/22 07:00 1993文字経済規模を表す代表的な指標である国内総生産(GDP)。「20世紀で最も偉大な発明の一つ」(米商務省)とも言われるが、近年は「十分に経済の実態を反映していない」として、見直しの動きが出ている。果たしてどうなるのか。 ◇GDPで測れないモノ 「GDPを追求することが真に人々にとって幸せなことなのか。大
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なぜ抱き上げた娘を落として死なせたか 双子の子育てで感じた孤独
2023/8/20 11:00 2332文字「私にだって無理だよ」。声にならない訴えは、夫には届かなかった。双子の子育てに悩む女性は夫と口論した朝、抱きかかえた生後3カ月の長女を布団の上に落とした。2年前に埼玉県内の自宅で娘に暴行し死亡させたとして傷害致死罪に問われた母親(38)に対し、さいたま地裁は8月2日、執行猶予付きの有罪判決を言い渡
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ユウキサイド
石川祐希、元気の源は「朝スープ」? 食生活を支える栄養士
2023/8/14 19:00 2972文字美食の国イタリア。だが、バレーボール男子日本代表の石川祐希選手(27)=ミラノ=は競技最優先の食生活を送っている。「食事は栄養を取ることが目的で、味は気にしない。毎日同じ物でも問題ない」という独特な考え方に基づく。 その石川選手を栄養面でサポートしてきたのが食品メーカー「明治」栄養士の案浦美保代さ
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食を揺るがす物流危機は回避できるか カギ握る「2024年問題」
2023/8/14 05:30 2465文字トラック運転手不足による物流危機が、日本の「食」を脅かそうとしている。生鮮食品を運ぶトラックの長距離輸送が大きな影響を受けるとされ、産地や販売者からも心配の声が上がる。対策はあるのか――。 ◇遠方が産地の生鮮食品ピンチ 「売り場がどうなるか分からない。大変な問題ですよ」。首都圏で食品スーパーを展開
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