突然変異や傷が原因
Q 四つ葉のクローバーはどうしてできるの?(福島県本宮市・小6・小林結衣さん)
A 公園などに行くとつい探したくなってしまう「四つ葉のクローバー」。みなさんは見つけたことはありますか? ふつう、クローバーの葉は3枚ですが、ごくたまに葉が4枚の「四つ葉」があります。どうして四つ葉ができるのか東京都立神代植物公園植物多様性センター事務長の照井進介さん(34)に聞きました。
クローバーはエンドウマメなどと同じマメ科で、茎の一部や根が冬になっても枯れない多年草です。そのため一年中、野原などで見ることができます。茎や葉が成長するのは春から夏にかけてで、茎は地面をはうように約15〜20センチメートル伸びます。伸びた茎には顕微鏡でないと見えないくらい小さい「原基」という葉っぱの赤ちゃんができます。この部分が人に踏まれるなどして傷がついてしまうと本来きれいに3枚に分かれる葉の枚数が変わってしまいます。葉についた傷を1枚の葉に入れた切り込みと考えると、半分に分かれたそれぞれが独立した1枚の葉になるようなイメージです。
もう一つの原因は遺伝です。通常3枚の葉になる遺伝子(親から子へと、いろいろな細胞の形や役割を伝える設計図のようなもの)が、突然変異して4枚になってしまったものです。突然変異とは、遺伝情報の一部に変化が起こり、親になかった新しい形質ができることです。茎自体が突然変異すると同じ茎に生まれてくる葉は4枚になることが多くなります。「突然変異する遺伝子については解明されていないことが多く、ヨーロッパなどでは研究が続けられています」と照井さんは話します。
「四つ葉のクローバー」は見つけると幸せになれるといわれます。照井さんは「四つ葉が見つかる確率は低く、なかなか見つからないので、見つけたときにうれしいと感じることが幸せなのでは」と話していました。【大熊真里子】