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電力の小売りが完全に自由化

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 毎日まいにち、いろいろな場面ばめん使つかわれる電気でんき。4がつから一般いっぱん家庭かていでも電力会社でんりょくがいしゃかぎらず、ガス会社がいしゃ商社しょうしゃ電話通信でんわつうしん会社かいしゃなど、さまざまな事業者じぎょうしゃから電気でんきえるようになります。なにがどうわるのでしょうか。【ぶん大和田香織おおわだかおり/え・渡辺正義わたなべまさよし

ポイント

<1>おおくの事業者じぎょうしゃ自由競争じゆうきょうそう

<2>送配電部門そうはいでんぶもんわらず

<3>料金りょうきんプランやサービスもいろいろに

<4>250社以上しゃいじょう登録とうろく注意ちゅうい

 ■撤退てったい倒産とうさんしたらどうなる?

 自由じゆう競争きょうそう電気代でんきだいやすくなるのは消費者しょうひしゃにとってうれしいですが、値下ねさ競争きょうそうはげしくなれば、ちこたえられない事業者じぎょうしゃ当然出とうぜんでてきます。2がつには、神奈川県川崎市かながわけんかわさきし低価格ていかかく学校がっこうなどに電力でんりょく供給きょうきゅうする契約けいやくむすんでいた事業者じぎょうしゃが、電力事業でんりょくじぎょうからの撤退てったいめました。ただ、こうした場合ばあいは、もともとある地域ちいき大手電力会社おおてでんりょくがいしゃ電気でんきとどけることにまっていて、契約けいやくした事業者じぎょうしゃ倒産とうさんしたから電気でんきとどかないということはありません。

これまではえらべなかった

 いままでは電気事業法でんきじぎょうほうという法律ほうりつもとづき、東京電力とうきょうでんりょく関西電力かんさいでんりょく中部電力ちゅうぶでんりょくなど地域ちいきごとに10の電力会社でんりょくがいしゃまっていて、一般いっぱん家庭かてい自由じゆうえらべませんでした。全国ぜんこくどこでも電気でんき使つかえるようにするには、発電所はつでんしょ建設けんせつのほか、電線でんせんめぐらせたり変電所へんでんしょなどの設備せつび必要ひつようです。ばくだい費用ひようがかかるため、くに管理かんりのもと少数しょうすう大企業だいきぎょう競争きょうそうのない状態じょうたい運営うんえいしたほう効率こうりつよかったのです。

 でも設備せつびととのうと、日本にっぽん電気料金でんきりょうきん海外かいがいくら割高わりだかとの指摘してきるようになりました。おおくの事業者じぎょうしゃ競争きょうそうすれば、価格かかくげたり便利べんりなサービスを提供ていきょうすると期待きたいされています。

発電はつでん高電圧こうでんあつはすでに自由化じゆうか

 電力でんりょくとどける仕組しくみはおおきくみっつにかれます。電気でんきこす発電部門はつでんぶもん電気でんきおくるネットワークを管理かんりする送配電部門そうはいでんぶもん電気でんき消費しょうひする工場こうじょう家庭かていなどと契約けいやくする小売こう部門ぶもんです。今回こんかい自由化じゆうか対象たいしょうになるのは、小売こう部門ぶもんなかでも一般家庭いっぱんかていちいさいみせなどにひく電圧でんあつ電力でんりょく部分ぶぶんです。発電部門はつでんぶもんと、工場こうじょうやビルなど高電圧こうでんあつ電力でんりょくあつか小売こう部門ぶもんは、すでに自由化じゆうかされています。

 送配電部門そうはいでんぶもんは、高電圧こうでんあつ電力でんりょく変電所へんでんしょで、使つかいやすい電圧でんあつえるなどしてあちこちへおくります。送電そうでんのネットワークは、電気でんき特性とくせい需要じゅよう消費しょうひ)と供給きょうきゅう発電はつでん)を一致いっちさせないと供給きょうきゅう不安定ふあんていになります。そのためまだ自由化じゆうかせず、政府せいふ許可きょかした各地域かくちいき電力会社でんりょくがいしゃになっています。

消費者しょうひしゃこのみも反映はんえいできる?

 自由化じゆうか参入さんにゅうする事業者じぎょうしゃも、電気でんきとどけるときは、地域ちいき電力会社でんりょくがいしゃのネットワークを使つかうので、電気でんきしつなどはみなおなじです。ただ、小売事業者こうりじぎょうしゃはそれぞれの工夫くふう値段ねだんやすくしたり、ガスや電話でんわ、ガソリンなど、自分じぶん得意とくい商品しょうひんとセットでポイントせいにするなど、いろんなかた登場とうじょうします。また、原子力発電所げんしりょくはつでんしょらしたいひとが、太陽光たいようこう風力ふうりょくなどの発電所はつでんしょがける事業者じぎょうしゃえらべば、再生可能さいせいかのうエネルギーによる発電はつでん普及ふきゅうたすけることになります。

便乗商法びんじょうしょうほうへの注意呼ちゅういよびかけも

 あたらしく参入さんにゅうする事業者じぎょうしゃは「新電力しんでんりょく」とばれ、くに審査しんさ資源しげんエネルギーちょう登録とうろくします。3月末がつまつで250社以上しゃいじょうあり、テーマパークや自動車じどうしゃメーカーなどさまざま。すでに各種かくしゅ料金りょうきんプランやサービスが発表はっぴょうされていますが、電力でんりょく使用しようおお家庭かていほど値下ねさはばおおきいプランが目立めだち、節電せつでん環境保護かんきょうほごながれに逆行ぎゃっこうしないか指摘してきもあります。不要ふよう設備せつびろうとする事業者じぎょうしゃもいて、消費者庁しょうひしゃちょうなどが「便乗商法びんじょうしょうほう注意ちゅうい」とびかけています。

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