東南アジアにすんでいます。大きくても体長は1.5メートルほどで、世界のクマの中で、もっとも小さいクマです。胸元に白い模様がついています。つめが鋭く、木登りが得意です。シロアリなどの昆虫、ハチミツ、果実などが好物です。【WWFジャパン・大倉寿之】
どのくらいいるの
正確な頭数はわかっていませんが、過去30年で30%以上減ったと専門家はみています。生息地の森が失われたことで、大きく数を減らしたと考えられています。東南アジアでは、森林が大規模に切り開かれて、農園にかわっています。違法伐採も少なくありません。また、ひどい密猟も数を減らす大きな原因になっています。クマの体の一部を原料とする薬を作るためや、手のひらを料理に出すために殺されてしまうのです。
何を食べているの
雑食性で、シロアリやハチなどの昆虫やその幼虫、あるいはミミズなどを食べ、ハチミツをなめます。イチジクなどの果実も食べます。マレーグマは長い舌を持ちますが、これは、木の中の昆虫や巣の中のシロアリをつかまえるのに役立ちます。また、ハチの巣からハチミツをなめとるのにも好都合です。
人間との関わりは
アブラヤシやコーヒーなどの農園を造るために、目の前の森林が根こそぎ切られてしまうことがあります。森林破壊は東南アジアなどで、今も続いています。多くの生きもののくらす貴重な森は守らなくてはいけません。そして、木を切るなど、森を利用する場合には、法律を守り、環境に配慮しながら利用することが大切です。現在、マレーグマを狩りの対象にすることは許されていません。しかし、密猟をなくすのは容易ではありません。伝統薬の原料となるクマの胆のうが取引されるのです。そして、かわいいという理由で、子どものクマをペットにする例もあります。
どこにすんでいるの
東南アジアにいます。西はバングラデシュあたりにも生息していますが、むかしよりも生息する範囲はせまくなっています。海を越えて、スマトラ島(インドネシア)やボルネオ島(インドネシア、マレーシア)にもいますが、やはり生息地はせばまってしまっています。低地の熱帯林でよく見られます。通常は、地面の上や木の洞などで寝ます。ただし、人間活動の盛んなところでは、木の上に寝床を作って過ごす姿を見かけると言われます。
種名:マレーグマ
学名:Helarctos malayanus
分類:食肉目クマ科
頭胴長:120〜150センチメートル
肩高:70センチメートル
体重:27〜65キログラム
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