3本足に加え、くいや心柱で
Q 東京スカイツリーは、なぜ倒れないの?(岩手県宮古市・小6・箱石美奈さん)
A 東京スカイツリーの高さは634メートル。世界で一番高いタワーです。なぜ地震や強い風で倒れないのか、東京スカイツリータウン広報事務局の、豊島翔さんに聞きました。
倒れない工夫はいろいろあります。まずタワーの足元に注目です。東京スカイツリーは重さが約3万6000トンもある鉄骨のタワーですが、カメラの三脚のように3本の足で、しっかりとこの重さを支え合っています。
見上げていくと、地上300メートルくらいから、断面が三角形でなく円形になっているのがわかります。壁が平らになっているより曲面になっている方が風の抵抗を受けずに済むからで、倒れない工夫の一つです。上部になるにつれて円形になる設計のためにはコンピューターを使った複雑な計算が必要で、まさに21世紀の技術だといいます。
地中にも秘密があります。東京スカイツリーの地下には、50メートル、10階建てのビルが入るほどの深さの、大きな壁のようなくいが埋まっています。くいには、野球をするときに履くスパイクの裏にあるような、出っ張りがたくさん付いています。風や地震でも簡単にぐらぐらしないためです。地中深く、根っこのようにタワーを支えているのです。
地震対策では、歴史から学んだ技術も取り入れられています。お寺の五重塔の中心には「心柱」という太い木の柱が通っています。心柱は建物の重りとなって揺れを抑えるとされ、地震で五重塔が倒れたという記録がないのは心柱のおかげだといいます。
東京スカイツリーの真ん中には、五重塔にちなんで「心柱」と名付けた、太い煙突のような柱が通っています。「心柱」は地震の揺れを、通常の半分ほどに和らげる働きをします。ちなみに中は空洞で、非常階段になっています。【阿部祐子】