ブラジル南東部の森林地帯にくらしています。体長20〜34センチメートルの小さなサルです。光沢のある赤みがかった金色の毛におおわれています。名前が示すように、ライオンのたてがみを思わせる毛が頭部にはえているのが大きな特徴です。【WWFジャパン・大倉寿之】
どこにすんでいるの
ブラジルは、南アメリカのよく知られた国です。近年、経済的にも発展しました。この夏、オリンピック・パラリンピックが開催され、大きな注目をあびているリオデジャネイロの町がある国です。ブラジルには豊かな熱帯林が広がっていますが、ゴールデンライオンタマリンは、そのうち大西洋沿岸の熱帯林にしかいません。食べ物を求めて、木から木へと飛び移りながらくらしています。夫婦1組に数頭が加わり、4〜8頭の群れをつくります。
何を食べているの
昆虫や果実を食べます。カタツムリや小型のトカゲも食べます。鳥の卵も食べます。細長い指に、鋭いかぎ爪を持っているので、木の割れ目に指を差し込んで、昆虫を探すことができます。こうした豊富な食べ物をもたらす熱帯林はゴールデンライオンタマリンの大切な生息地です。
人間との関わりは
人間は、農地や牧場を作るために森林地帯を切り開き、ゴールデンライオンタマリンの生息地を狭めてしまいました。それが個体数の大きな減少要因になっています。美しい姿をしているので、ペットにされることが多かったのも事実です。現在は、回復計画が進められています。人の手で飼育し、野生に戻す事業が積極的に実施されています。保護区を設け、それ以上の森林の減少を防ぐ努力も続けられています。また、点在する小さな森と森のあいだに木を植えて、森どうしをつなぐ試みもおこなわれています。利用できる森が大きくなれば、生息環境の改善につながるからです。
どのくらいいるの
1990年代はじめの調査では、560頭程度と推定され、絶滅のおそれが高いことが明らかになりました。現在は、1000頭を超えるゴールデンライオンタマリンがいるとされますので、いくらか回復しています。ただし、絶滅の心配がなくなったわけではありません。生息地の森林は80%も減少し、今も残る森林はあちらこちらで伐採が進み、小さな森がぽつりぽつりと点在している状態のところが多くなってしまっています。
種名:ゴールデンライオンタマリン
学名:Leontopithecus rosalia
分類:霊長目オマキザル科
頭胴長:20〜34センチメートル
尾 長:32〜40センチメートル
体 重:600〜800グラム
WWFは人と自然が調和して生きる未来を目指して、100か国以上で活動している環境保全団体です。その活動は、世界中の会員によって支えられています。あなたもWWFの会員になって、世界の自然を守る輪に加わってみませんか?
●問い合わせ:WWFジャパン
電話 03・3769・1241
メール hello@wwf.or.jp
ホームページ http://www.wwf.or.jp/