ブラジルのリオデジャネイロ・パラリンピックは、第3日の9日から第5日の11日にかけて、視覚障害者による柔道で2人の銅メダリストが誕生しました。1人は9日、女子57キロ級で初出場の広瀬順子選手(25)で、女子柔道で初めてです。もう1人は10日、男子100キロ超級の正木健人選手(29)です。11日にはボッチャの日本チーム(脳性まひ)が準決勝でポルトガルを破り、銀メダル以上が確定しました。12日(日本時間13日)の決勝でタイと対戦します。
◆結婚して良かった
柔道視覚障害女子57キロ級 広瀬順選手
広瀬順子選手は夫で男子90キロ級の悠選手(37)と夫婦での出場です。夫婦で支え合って勝ち取ったメダルに「楽しく柔道がやれるようになった。結婚して良かった」と笑顔で話し、2人で抱き合って喜びを分かち合いました。悠選手はメダル獲得はなりませんでした。
◆東京で優勝目指す
柔道視覚障害男子100キロ超級 正木選手
正木選手は2012年ロンドン大会の金メダリストです。連覇を目指してきただけに、2大会連続のメダルとなる銅メダルにも悔し涙をこらえきれませんでした。「悔しさをばねにして東京大会での優勝を目指して頑張りたい」と覚悟を示しました。
◆快進撃ボッチャ・チーム カーリングに似た競技
ボッチャ 脳性まひ チーム
ボッチャは、3人のチーム戦、2人のペア戦、1人の個人戦に分かれてメダルを争います。メダル獲得は、2008年北京大会から出場した日本にとって、団体、ペア、個人含めて初めてです。
ボッチャは脳性まひや重度障害など、体を少ししか動かせない人にも楽しめるよう考え出された、オリンピックにはない種目です。約300グラムのお手玉のようなボールを目標球の近くを狙い投げ入れます。より近くにボールを寄せた方が勝ちで、冬季オリンピックのカーリングに似ています。ボールを投げられない人は足で蹴り、それができない人は介助者に合図を出して小さな滑り台の位置や向きを指定し、ボールを転がします。
◆パラ陸上
視覚障害
走るコースを教える「ガイドランナー」(伴走者)や、走り幅跳びの踏み切りの位置を声で知らせる「コーラ−」が協力します。
切断・機能障害
上肢(腕)や下肢(足)を失い、義手や義足を着ける選手が大半です。義手・義足を選手の体に合うよう調整し、使いこなす技術が必要です。
車いす
マラソンなどで使われる車いすは特殊な競技用のものです。軽くてスピードが出るので、マラソンの下り坂では時速50キロメートルを超えることもあります。