将棋の史上最年少棋士、藤井聡太四段(14)が4日、昨年12月のデビュー戦以来、新記録となる11連勝を達成しました。11勝目は大阪市であった第67期王将戦1次予選で、小林裕士七段(40)に104手で勝ちました。これまでの記録は松本佳介六段(45)と近藤正和六段(45)のデビュー10連勝でした。
藤井四段は「望外な結果だが素直にうれしい。きょうの対局は読みが甘く、内容はよくなかった。連勝を伸ばせるよう頑張って指したいが、まだ実力は足りず、全体的に実力を上げたい」と話しました。
藤井四段は愛知県瀬戸市の中学生です。5歳で将棋を覚えました。昨年10月、加藤一二三九段(77)の14歳7か月を抜く14歳2か月で、プロ棋士になりました。学校の得意科目は数学で、鉄道ファン。食べ物は麺類が好物だそうです。
中学生棋士、なぜすごい?
プロ棋士とは、名人戦、竜王戦といったタイトル戦などで、将棋を指す人です。
プロ棋士になるには、「新進棋士奨励会」という日本将棋連盟の養成機関に入るのが一般的です。会員同士で対局し、決まった成績を上げることで昇級昇段していき、四段になればプロ棋士です。全国からえりすぐりの才能が集まるため、奨励会に入るのも大変で、入っても棋士になれるのは2割程度。原則26歳までにプロ入りできなかったら、退会しなければなりません。
将棋では、若くして才能を開花させる人の方が、強い傾向があるとされています。戦後棋士になった歴代名人9人のプロ入りは平均16・7歳。藤井四段以前に中学生でプロ入りを決めたのは、加藤九段のほか谷川浩司九段(54)、羽生善治王位(46)、渡辺明竜王(32)の4人だけです。