プラスチックなどを混ぜる
Q 消しゴムは、どうやって作っているのですか?(三重県鈴鹿市、小2女子)
A 「MONO消しゴム」を製造販売しているトンボ鉛筆の川崎雅生さんに聞きました。
消しゴムはゴムから作られているのだろうと考える人が多いかもしれません。消しゴムは1770年にイギリスの科学者が、鉛筆で書いた文字を天然ゴムでこすると消せることに気づいて生まれました。しかし、現在では原料にゴムを使っている学習用消しゴムは少なく、ほとんどがプラスチック製です。
消しゴムは工場で作ります。まず、プラスチックとさまざまな物質を、機械の中に入れて混ぜ合わせます。これらはビニールホースなどの材料と同じものです。
熱を加えながら混ぜ合わせると、材料がくっつきだします。完全にくっつくとビニールホースのように硬くなってしまうので、消しゴムの硬さにするために温度や時間を調整します。この作業を「結合」といいます。
消しゴムの硬さになった材料は、いろいろな形にできます。薄い板状の型に流して固め、消しゴムの大きさに切れば、四角い消しゴムになります。機械の中で圧力をかけて押し出すと、チューブ状の消しゴムになりますし、動物などのシルエットの型に入れて押し出せば、面白いシルエットの消しゴムになります。
プラスチック製の消しゴムで文字が消える理由は、消しゴムには鉛筆の黒い芯の部分に使われている「黒鉛」の粉を吸いつける性質があるからです。
消しゴムに適度な力を加えてこすると、くっついた黒鉛の粉が、消しカスとなって取り除かれます。机の上のゴミになる消しカスですが、黒鉛の粉をくっつけて外に出す、重要な役割があるのです。紙を削っているわけでなく、黒鉛の粉を吸い取っているんですね。
ちなみにペンなどで書いた文字を消す「砂消しゴム」は、紙の表面を削り取って文字を消します。絵を描くときの「練り消しゴム」は、木炭や鉛筆、コンテなどを消すのに使います。消しカスは出ず、汚れたところを中に押し込んで使います。何を消したいかで使う消しゴムが違います。(阿部祐子)