役所の書類や祝日に影響
Q 元号が変わると何が変わりますか?(茨城県龍ケ(が)崎市、小6、中嶋りこさん)
A 天皇陛下が退位(天皇を退くこと)できるようにする特例法が6月に成立しました。天皇陛下が退位されると、皇太子さまが新しい天皇に即位されます。現在の制度では、天皇が代わると元号も変わるため、政府は「平成」に代わる新しい元号を検討します。いつ変わるのか、正式な日程はまだ決まっていませんが、2019年から新しい元号になる案が有力です。
元号は紀元前に中国で始まり、日本では645年に「大化」の元号を初めて使いました。当時は天皇の即位だけでなく、災害などを理由に変わることがありました。天皇が代わらない限り元号も変わらないと定めたのは明治時代からです。
1979年には元号法が制定され、「元号は、皇位の継承があった場合に限り改める」と定めました。89年1月7日に昭和天皇が亡くなり、翌日に「平成」に改めました。「平成」は247番目の元号です。
社会では西暦と元号の両方が使われています。ただし、国や地方の役所の文書は原則として元号を使うため、急に元号が変わると混乱する可能性があります。昭和から平成に変わった時は、帳簿や伝票類の印刷のし直しで、印刷や紙を作る工場が大忙しになりました。
「NOLTY」(能率手帳)や「PAGEM」で知られる「日本能率協会マネジメントセンター」が販売している手帳は、カレンダーに元号が入っています。しかし、2018年版は19年を西暦のみで表し、天皇誕生日も今と同じです。例年、8月下旬から次の年の手帳が店頭に並びます。手帳部門の細野肇さんは「元号は公文書で使われるので、手帳に元号が表記されていると便利という声が多い。早く決めてもらえるといいです」と話します。
祝日は増えるでしょうか。天皇誕生日は、法律で「天皇の誕生日を祝う」日とされているので、現在の12月23日から皇太子さまの誕生日である2月23日に変わります。昭和天皇の誕生日だった4月29日は「昭和の日」、明治天皇の11月3日は「文化の日」でいずれも祝日になっています。しかし、大正天皇の誕生日だった8月31日は祝日になっていません。【篠口純子】