2020年度から小学校でプログラミングの授業が始まります。学校の先生たちはどんな授業にすればよいか、モデル授業をして研究しています。今回は、神奈川県相模原市立当麻田小学校の5年生が体験した授業をのぞいてみましょう。以前紹介したツール「プログル(https://proguru.jp/)」を使い、キャラクターに多角形を描かせるプログラミングをしました。先生が用意したホワイトボードを見てください。
「正多角形の角度を求め、ロボットに図形をかかせよう」とあるけれど、正多角形って何? 三角形や四角形のこと?
三角形は3本の線に囲まれた三つの角がある形、四角形は4本の線に囲まれた四つの角がある形です。10個の角がある形は十角形となるように、たくさんの角があり、線が全て同じ長さの形を「正多角形」と言います。プログルでは、キャラクターに「どの向きに、何度の角度を進むか」という指示を与えて、正多角形を描けます。そのために、まずは多角形の角度について勉強しました。
ホワイトボードに表や計算式が書かれているのね。それぞれ何を意味するの?
一番左の表には、多角形の内側の角度の和(合計)が書かれています。正多角形の場合、この合計を角の数で割ると、一つ分の内側の角度を計算できます。たとえば正六角形なら、「720(六角形の内側の角度の合計)÷6(角の数)=120(角一つ分の内側の角度)」となります。キャラクターが進む向きは、図形の外側の角度になるので、「180度-120度=60度」という式も加えます。
なんだか難しい計算だな。
図形の角度は5年生で習う内容なので、難しく思えるかもしれませんね。どんな多角形でも式にあてはめることができ、ロボットの進む角度がわかります。算数の計算をわかりやすくイメージするために、プログラミングのツールが活用されているのですよ。
実際に、どんなプログラミングをするの?
たとえば八角形を描く場合、次の(1)と(2)の方法でキャラクターの進み方を指示できます。違いがわかりますか?
(1)は、ブロックがとても長く積み重なっているけれど、(2)はブロックが少ないな。
確かにそうね。(1)は長さを示す「50進む」と、角度を示す「45度右を向きます」が8回積み重なっていて、(2)は「8回くりかえす」というブロックが使われているのね。(2)のほうがすっきりして見えるけど、どちらが正解なの?
どちらも正解です。同じ八角形を描けますよ。でも、(2)の「くりかえす」のブロックを使うことで、間違えることなく正確な指示ができます。当麻田小の5年生からも「繰り返しを使ったほうが楽にできる!」という声が聞かれました。
他の多角形もできるのかな?
「くりかえす」ブロックを活用すれば、どんな多角形も楽に描けます。下の画像は正二十六角形を示しています。
角が26個もある形ということね。丸い形のように見える!
そうですね。このように、授業では図形と式の関係や、「くり返し」を指示する方法から図形を描く勉強をしました。5年生たちは「楽しんで描けた」と喜んでいましたよ。みなさんも、新しい授業を楽しみにしてくださいね。
みんなのコード
監修:特定非営利活動法人みんなのコード
「すべての子どもがプログラミングを楽しむ国にする」とのミッションのもと、日本全国の小学校でのプログラミング教育の普及活動をしている非営利法人。http://code.or.jp