みなさんのクラスでは、学期末にお楽しみ会をしますか。よくあるゲームや飾り付けも、ちょっとした工夫でいつもと違ったものになります。他のクラスからうらやましがられるような、楽しいお楽しみ会を企画してみませんか。【田嶋夏希】
アイデアを教えてくれたのは、NHKのEテレで番組「シャキーン!」の企画を担当する、放送作家の倉本美津留さんです。絵でつなげていく「おもしりとり」や、鬼が動画投稿サイト「YouTube」風の番組を放送する「鬼Tube」のような楽しいコーナーを作っています。小学校のころから友達を笑わせることを考えるのが好きだった倉本さん。クラスには47人の同級生がいたので、一人ずつひらがなを当てはめて、50音のカルタを作って遊んでいたそうです。
そんな倉本さんがお楽しみ会をするとしたら、みんなで新しいゲームを作るのが一番盛り上がると提案します。「このお楽しみ会では、『最終的にめっちゃおもしろいゲーム1個できたやん』がゴールです」と話します。
みんなで考える そこから楽しい
誰もやったことのないゲームのタイトルとルールをそれぞれが考えてきたら、一番楽しそうなものを多数決で決めます。ゲームが選ばれたら皆で話し合い、ルールを追加したり、変更したりして、さらにおもしろいものになるようにします。重要なのは「どんなアホなことでも言っていいという空気を作ること。間違いの中に、その間違え方がすてきだなというものがあって、そこから発明が生まれる。『すてきな間違い』イコール『ゼロから何かを生み出す』、つまり可能性を広げたということになります」。
クラスのみんなでおもしろいことを考えるということは、メンバーだからこそという特別感を生みだし、クラス全体が「おもしろ共犯者」になると倉本さんは言います。そうしてできたお楽しみ会をすると、「オレたちかっこいいと思えるし、他のクラスのうわさになって、みんなの自慢になるでしょう」と話します。
いつものゲームをアレンジして
ゼロから新しいゲームを作るのは難しいという人のために、誰でも知っているゲームをアレンジする方法を倉本さんに教えてもらいました。お楽しみ会の定番、ビンゴや椅子とりゲーム、クイズでヒントを聞きました。
(1)あなたとビンゴ
まず、「『あ』から始まる言葉」などのルールを決めます。1人を進行役に選び、みんなそれぞれにルールに従った言葉を書き出します。これがビンゴカードの代わりになります。進行役が、自分が思いついた言葉を発表します。
進行役が選びそうな言葉をカードに書き出しておくのがコツです。「たくさんの言葉を知っているな」とか、「こんな言葉を選ぶんだ」という意外な発見があっておもしろくなりそうです。
(2)椅子とらないゲーム
椅子とりゲームならぬ、椅子とらないゲームにしてみたらどうでしょうか? 椅子を奪い合うのではなく、逆の発想で椅子を与え合います。
例えば、一つの椅子に何人座れるかを競うとか、何かをすると椅子がどんどん増えていくとか。「とらない」という言葉にかけて、みんなでトラになってみるとか、いろいろと考えが膨らみます。
(3)間違うクイズ
普通は正解を答えるのがクイズですが、間違いしか答えちゃいけないというルールにします。「公園にある遊具を答えてください」という問題では、「表彰台」が“正解”です。無限に答えが出てくるのがこのクイズのよいところです。
◆教えてくれた人
「シャキーン!」の倉本美津留さん
1959年広島県生まれ、大阪府育ち。大学卒業後に放送作家となり、お笑いコンビのダウンタウンなどと数々の人気番組を生み出す。近著に「明日のカルタ」「超国語辞典」「ねこのたまたま」。最新作は、東京都の23区の名前と場所が覚えられる「23区おぼえ歌」。
◆大募集
お楽しみ会でできた新しいゲームを送ってください
クラスのお楽しみ会で新しいゲーム作りに挑戦してくれた人は、できたゲームのルールと、やってみた感想をぜひ送ってください。
住所、名前(読み方も)、学年、電話番号、できたゲームのタイトルとルール、遊んでみた感想を書いて、はがきの場合は 〒100-8051(住所は不要です) 毎日小学生新聞編集部「お楽しみ会リポート」係まで。メール(maishou@mainichi.co.jp)でも受け付けます。