解散ある衆議院 任期6年の参議院
Q 衆議院と参議院について教えてください。 (大分市、小4 坂川心さん)
A 国の政治の基本的な仕組みは、日本国憲法で決まっています。その憲法は国会を「唯一の立法機関」と定めています。立法とは、国の統一したルールである法律を作ることです。国会は二つの議会からなる「二院制」がとられていて、それが衆議院と参議院です。
それぞれの議員が話し合う場所が国会議事堂です。東京都千代田区永田町に建っています。正面に向かって左側が衆議院、右側が参議院です。社会科見学や修学旅行で行く人も多いですね。見学者用の出入り口は正面ではありません。見学者用の出入り口から見ると、右側が衆議院、左側が参議院です。
衆議院も参議院も国民の代表者として選ばれた議員たちが集まって、法律を作るために話し合います。ほかに、国のお金の使い方を示す予算なども話し合います。
このように、衆議院、参議院には共通した役割があります。二院制には、さまざまな角度から政治に国民の意見を取り入れ、慎重に話し合うという目的があるからです。このため、それぞれの議員の選び方にはちがいがあります。
議員の数は衆議院が465人で、参議院が242人です。任期(議員として仕事をする期間)は、衆議院の4年よりも参議院の6年の方が長いです。しかも衆議院には解散があります。任期の途中でも解散になれば議員でなくなります。参議院には解散がなく、3年ごとに半数を選挙で選び直します。
国民が選挙で投票できる年齢はどちらも18歳以上です。選挙に出られる(被選挙権がある)年齢は、衆議院の「25歳以上」よりも参議院の「30歳以上」の方が高くなっています。ちなみに、議員が胸につけるバッジも、衆議院が赤茶色、参議院が濃紺です。
衆議院は解散がある分、国民の新しい意見を代表しているとみられ、衆議院が決めたことが参議院よりも優先されることがあります。「衆議院の優越」といいます。政府のリーダーとなる総理大臣の指名や予算、法律は、参議院が衆議院と違うことを決めた場合、最終的に衆議院で決めたことが国会の決定になります。
実態は「うりふたつ」
一方、解散がない参議院では、任期中の6年間じっくりと政策を話し合うことができます。学者や文化人のような人が数多く選ばれるものと考えられ、「良識の府」とも呼ばれてきました。実際に選ばれるのは衆議院と同じように政党の政治家がほとんどで「衆議院のカーボンコピー(うりふたつ)」との皮肉も聞かれ、独自の存在感を示すことが課題になっています。【木村健二】
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