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疑問氷解

読者から寄せられた身の回りの素朴な疑問、もやもやしていることについて、記者が取材しお答えします。これであなたもすっきり!?

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疑問氷解

なぜ目や鼻、口や耳などの大事なものが全て頭についているのですか。

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各種動物の構造 拡大
各種動物の構造

物探ものさがしに有利ゆうり

 Q なぜはなくちみみなどの大事だいじなものがすべあたまについているのですか。(東京都世田谷区とうきょうとせたがやく しょう6)

 A たしかにはなさきについていたら、すこはなれたところにあるもののにおいをぐときには便利べんりそうです。

 では、くちはななどすべてがあたまについているのは、どんな理由りゆうからなのでしょうか。国立科学博物館こくりつかがくはくぶつかんさかな寄生虫きせいちゅうについて研究けんきゅうし、生物せいぶつ進化しんかくわしい動物研究部長どうぶつけんきゅうぶちょう倉持利明くらもちとしあきさんにきました。

 ヒトのかおにははなみみくちがついていますが、生物せいぶつにとって一番重要いちばんじゅうようなのが、ものをとりむためのくちです。より確実かくじつものつけるために、ひかりをとらえるためのおとみみにおいをかんじるはなが、くちのそばにあるとかんがえられるそうです。これは生物せいぶつ進化しんかをさかのぼるとよくかります。

 いくつもの細胞さいぼうでできている生物せいぶつなかで、一番単純いちばんたんじゅんなのがうみそこいわなどにいているカイメンの仲間なかま海綿動物かいめんどうぶつ)です。それからクラゲやイソギンチャクなどの刺胞しほう動物どうぶつあらわれ、やがてニョロニョロしたむしのような動物どうぶつ登場とうじょうしました。これらの動物どうぶつからだにはまえうしろの区別くべつがあって、こうしてはじめて一方いっぽうはしくちが、もう一方いっぽうはし肛門こうもんができました。

 たとえばそのひと線形動物せんけいどうぶつにははなはありませんが、ひかりかんじたり、においをかんじたりするセンサーのような細胞さいぼうくちまわりにあります。これらの細胞さいぼうは、ものさがしに大変役たいへんやくちました。そのため、これらの動物どうぶつ現在げんざいまでのこり、いろいろな動物どうぶつ進化しんかしてかれていきました。

 センサーのような細胞さいぼうは、やがてはなみみなどの感覚器官かんかくきかんへと発達はったつし、神経しんけいのうとつながり、はなみみかんじた情報じょうほうは、のうとどけられるようになりました。感覚器官かんかくきかんがとらえた情報じょうほうをはやく、ただしくのうとどけるためにははなみみのうがはなれていないほうが便利べんりです。そのため、のうあたまにあるとかんがえられます。このように動物どうぶつからだは、きていくうえ都合つごう特徴とくちょう大事だいじぐように発達はったつしてきました。

 それではくちがおなかにあり、前後ぜんご区別くべつがないヒトデやウニ(棘皮動物きょくひどうぶつ)はどうでしょう。幼生ようせいあいだくちあたまにあり、およまわっていますが、おおきくなるとうみそこにすむようになり、あたらしいくちがおなかにひらきます。うみそこらすためにはそのほうが都合つごうかったのでしょう。【田嶋夏希たじまなつき

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