勉強のポイントをラップで伝える「Co.慶応」さん(左)と「れきしクン」(右)
ラップのメロディーに乗せて歴史を楽しく覚えるユニークな授業が試みられています。その名も「歴タメRAP」。歴史は覚えることが多く、暗記科目と思われがちですが、楽しく学んで面白さが見つかるかもしれません。【野本みどり】
神奈川県横浜市の神奈川学園精華小学校(大野達夫校長)で16日、鎌倉時代の人物をテーマにして6年生の授業がありました。「歴タメRAP」は、テレビ朝日ミュージックが昨年から東京都内の小学校で始めました。ラップは、同じような響きやリズムで言葉を並べる歌い方です。この特徴を「韻を踏む」と言います。歴史の勉強に取り入れることで、人物や出来事を関連づけて覚えやすくするとともに、忘れにくくする狙いがあります。
授業では、歴史作家の「れきしクン」が、押さえるべきポイントとして、いつ▽何を▽誰が▽どのように▽どこで--の5点を説明。慶応義塾大学を卒業し、さまざまな教科をラップにしている「Co.慶応」さんが、このポイントを軽快なラップで歌い上げました。
この後、クラスは六つの班に分かれ、鎌倉時代の人物の歌詞を考えました。
源実朝を取り上げた班は、
♪鎌倉時代の 3代将軍
♪源最後の 歌人の将軍
♪公暁に殺され実権奪われ
♪これぞ悲しい 源実朝
と歌い、源実朝を殺した公暁を取り上げた班は、
♪頼家の息子 出家僧
♪積年の恨み 晴らすため
♪実朝大臣 昇任時
♪八幡宮で一撃これぞ公暁
と返しました。
日蓮を取り上げた班は、
♪鎌倉時代の お坊さん
♪日蓮宗の お父さん
♪久遠寺が総本山
♪雷オヤジの 日蓮さん
と仕上げました。
「Co.慶応」さんは、「こちらが知らない人物を取り上げた班もあって、驚きました。ラップの特徴の韻を踏む歌詞が作れれば、記憶に残りやすいですよ」と話しています。
■歴史ラップの例
<北条政子>
♪鎌倉時代の 尼将軍
♪頼朝のおくさん
♪承久の乱の演説で勝利
♪これが 北条政子
<後嵯峨天皇>
♪鎌倉時代の 天皇だ
♪息子の分裂 両統対立
♪その原因が 88代目の天皇
♪それが後嵯峨天皇だ!!