リズム?「100点超」? 先生の癖や気持ち
Q 100点の下に二重線があるのはなぜ?(神奈川県横浜市、小1男子)
A 先生を目指す学生を育成する東京学芸大学教育学部で准教授を務める高橋純先生に聞きました。「文部科学省が決めたテストの点数の書き方はないはずです。教育委員会でも決めていると聞いたことはありません」と高橋先生。一本線は「得点と同じだけできた」、二重線は「100点以上に良くできたとき」のように意味を持たせている先生はいるようです。
しかし、よく言われているのは、採点して最後に線を書くとリズムが良いからという理由です。また、お金の出入りなどを記録する簿記の表記方法で記入の終わりに締め切り線として二重線を書くので、そこからきているのではという人もいるそうです。現在、教育学部でも採点方法まで指導はしていないので、理由ははっきりしません。
学校で使うテストやドリルを作っている出版社のベテラン編集者から、高橋先生が聞いた話では、先生たちの研修では「テストの丸つけは先生と児童との手紙のやり取りのようなものなので、先生の気持ちがちゃんと伝わるように」と説明しているそうです。学年や校内で統一することで、先生も子どもたちも迷わず短い時間で確認することができると、書き方を決める学校もあるそうです。
東京都港区教育委員会にも聞きました。先生の研修や指導を担当する指導主事の人は「先生によってちがうと言えます。100点を強調するために二重線、他の点数のときは一本線を書く先生が多いように感じます」と答えてくれました。
先生それぞれの思いや癖がテストの点数の書き方に表れているようです。【大熊真里子】
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