東京都中央区にある私立開智日本橋学園中学の2年生7人が、性的少数者(LGBTなど)の生きづらさや支援の動きを知ってもらおうと、9月末にあった同校の文化祭「開橋祭」で展示、発表をしました。行動力あふれる7人は「同世代のLGBTQの人たちのために」と支援の活動を続けるそうです。
7人は文化祭で教室の一角に展示コーナーを作りました。LGBTは、自分と同じ性の人を好きになる人や、「からだの性」と「こころの性」が一致しない人などのことです。「Q」は自分自身が男性か女性かはっきりしない、はっきりさせたくない人です。
生徒たちは来場者に「LGBTQを知っていますか」と声を掛け、偏見を持たれて生きづらさを感じている人たちの思いや、支援のための海外での取り組みなどを日本語や英語で説明し、性的少数者への理解を求めました。
開智日本橋学園中学は、高校までの中高一貫校です。生徒が関心を持ったことを自分で調べて人に伝える「探究」に、個人やグループで取り組むことに力を入れています。
LGBTQについて発表したのは、2年生のIBクラス(18人)の4人。国際バカロレア(IB)という、世界共通の大学入学資格を取るためのクラスで、海外で暮らした経験がある生徒が多くいます。アメリカやヨーロッパに比べてLGBTを話題にしにくい日本社会への疑問や、まわりに「男子らしさ」「女子らしさ」を求められる違和感などから、自分たちでこのテーマを選びました。一般クラスからも3人が加わりました。
意識調査、動画も
展示に向けて、インターネット上でLGBTQに関する意識調査をしました。同級生や世界13か国の約200人から回答を得ました。性的少数者を理解するための記事や広告を掲載してきた毎日小学生新聞編集部にも“逆取材”。偏見がいじめに発展する事例を寸劇にまとめ、動画も撮影しました。
家族で見学した東京都内の小学6年女子は「わかりやすかった」。父親は「生徒のみなさんは『LGBTを知らない』という人への偏見もなく、とても聞きやすかった」と話しました。
生徒7人のうちの1人、坪倉彰大さんは「みんなで支援の活動を続けていきたい。中学生向けのサイトを作りたい」と話しています。