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的川博士の銀河教室

宇宙開発の歴史や宇宙に関する最新ニュースについて、JAXA名誉教授の的川泰宣さんが解説する長寿連載です。

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519 ボイジャー2号が太陽圏脱出へ

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177億キロのかなた

 ボイジャー2号(図1)が「太陽圏(たいようけん)」を脱出(だっしゅつ)しつつあります。実は、「太陽の支配はここまで」という明確な境界があるわけではありません。太陽からは太陽風というプラズマの流れが高速で飛び出していて、磁場も運びながら海王星のはるかかなたまで達して、太陽系の空間を満たしています。太陽系は、このプラズマの巨大(きょだい)な「泡(あわ)」によって、その外を飛び交う宇宙線の攻撃(こうげき)から守られています。その太陽風プラズマが支配している空間は「太陽圏」と呼ばれ、ボイジャー2号は、現在その太陽圏の一番端(はし)の方まで達しているのです(図2)。

 さすがにここまで来ると、太陽風プラズマや太陽磁場の力も弱まり、外から来る宇宙線が急激に増え始めます。ボイジャーの管制をしている米カリフォルニアのJPL(ジェット推進研究所)は、ボイジャー2号を打つ宇宙線の数が、8月半ばを過ぎて5%もの増加を示したと発表しました。つまり、もうじき太陽圏を脱出するところまで来ているということです。

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