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的川博士の銀河教室

宇宙開発の歴史や宇宙に関する最新ニュースについて、JAXA名誉教授の的川泰宣さんが解説する長寿連載です。

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523 GPS衛星「みちびき」の本格運用

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位置情報の誤差、数センチに

 カーナビなどにGPS(全地球測位システム)という方法が使われていることを知っていますね。これは地球を回るいくつもの人工衛星が地上の車やスマホなどと連絡(れんらく)を取りながら、その現在位置を正確に教えてくれるシステムです。これまではアメリカのGPSを使わせてもらっていたのですが、そのGPS衛星の日本版ともいうべき一群の「みちびき」衛星(図1)の本格的なサービスがさる11月1日から始まりました。その専用の受信装置を使うと、これまで最大10メートルくらいだった位置情報の誤差が、最大数センチくらいまで縮まります。これは実に画期的なこと。さまざまな分野で活用されていくでしょう。

 「みちびき」は、昨年10月までに合計4基打ち上げられ、アメリカのGPS衛星を補完する信号を出しています。大気による電波の乱れを補正した特殊(とくしゅ)な「補強信号」です。4基の「みちびき」のうち3基は、準天頂軌道(じゅんてんちょうきどう)と呼ばれる軌道(きどう)を飛んでいます(図2、他の1基は静止軌道(せいしきどう))。北半球では地球から遠い位置をまわり、南半球では地球に近い位置をまわる南北非対…

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