子どもの筋力トレーニングはよくないこと？

　Ｑ　子（こ）どもの筋力（きんりょく）トレーニングはよくないこと？　（愛知県（あいちけん）豊田市（とよたし）、小（しょう）１、近藤蘭奈（こんどうらんな）さん）

今（いま）は必要（ひつよう）ない競技（きょうぎ）を楽（たの）しもう

　Ａ　柔道（じゅうどう）の日本（にほん）オリンピック委員会（いいんかい）強化（きょうか）スタッフを務（つと）める、骨格筋（こっかくきん）評論家（ひょうろんか）の岡田隆（おかだたかし）・日本体育大学（にっぽんたいいくだいがく）准教授（じゅんきょうじゅ）に教（おし）えてもらいました。

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　思春期（ししゅんき）前（まえ）の子（こ）どもは、筋力（きんりょく）トレーニング（筋（きん）トレ）をしても筋肉（きんにく）の成長（せいちょう）があまり期待（きたい）できません。あまり効果（こうか）が出（で）ないという点（てん）で、筋（きん）トレをやる必要（ひつよう）はほぼないと言（い）えます。

　なお、子（こ）どものうちからの筋（きん）トレが将来的（しょうらいてき）に体（からだ）にとって良（よ）いか悪（わる）いかは、長期間（ちょうきかん）の研究（けんきゅう）が必要（ひつよう）で、まだ分（わ）かっていません。

　どうしても子（こ）どものうちから筋（きん）トレをするなら、筋肉（きんにく）を鍛（きた）えて大（おお）きくすることではなく、筋（きん）トレを通（つう）じて体（からだ）の使（つか）い方（かた）や、力（ちから）の出（だ）し方（かた）を覚（おぼ）えることを目的（もくてき）にしてください。例（たと）えば腕立（うでた）て伏（ふ）せから、体幹（たいかん）を安定（あんてい）させることを学（まな）ぶことはできます。そのためには、正（ただ）しいフォームで丁寧（ていねい）に体（からだ）を上下（じょうげ）させます。限界（げんかい）までやらないのがポイントです。だんだんとスピードを上（あ）げても、フォームが崩（くず）れないようにしましょう。

　子（こ）どものうちは、一生（いっしょう）付（つ）き合（あ）っていく自分（じぶん）の体（からだ）や筋肉（きんにく）を使（つか）いこなすためのトレーニングをすることが大切（たいせつ）です。子（こ）どものうちに体験（たいけん）をお勧（すす）めする競技（きょうぎ）は体操（たいそう）、柔道（じゅうどう）、レスリングです。複雑（ふくざつ）な動（うご）きが多（おお）い割（わり）に力（ちから）を出（だ）すことができ、自分（じぶん）の体（からだ）を自由自在（じゆうじざい）に動（うご）かすベースを作（つく）れます。将来的（しょうらいてき）に筋肉（きんにく）もかっこよく付（つ）きます。

　もし、何（なに）かスポーツをしていたら、それに必要（ひつよう）な動（うご）きをたくさん練習（れんしゅう）してください。今（いま）は動（うご）きやスキル（技術（ぎじゅつ））を成長（せいちょう）させる時期（じき）です。何（なに）かできない動（うご）きがあったら、他（ほか）の子（こ）や、プロのプレーをしっかり見（み）て、違（ちが）いを知（し）ることがまず大切（たいせつ）です。その後（ご）、少（すこ）しずつ目標（もくひょう）を上（あ）げて練習（れんしゅう）しましょう。

　大人（おとな）の間（あいだ）では、筋（きん）トレが流行（りゅうこう）しています。自分（じぶん）の都合（つごう）で一人（ひとり）で練習（れんしゅう）ができ、大人（おとな）の場合（ばあい）は早（はや）く結果（けっか）が出（で）るからです。健康（けんこう）になりたいなど、それぞれの理由（りゆう）にマッチするのでしょう。

　ですが、一人（ひとり）で取（と）り組（く）むので、ほかのスポーツに比（くら）べて、コミュニケーションや、社会（しゃかい）のルールを勉強（べんきょう）する機会（きかい）は多（おお）くないかもしれません。大人（おとな）になってから、新（あたら）しいスポーツを始（はじ）めるのは大変（たいへん）です。今（いま）のうちに、楽（たの）しみながら体（からだ）を動（うご）かすことに、親（した）しんでください。【まとめ・篠崎（しのざき）真理子（まりこ）】＜え・内山大助＞