薬の種類はいろいろ。薬剤師さんの話をよく聞こう=くすりの適正使用協議会提供
田中泰義 毎日新聞 医療福祉部長
インフルエンザが流行しています。毎小の読者は大丈夫かな。インフルエンザでは最近、飲む回数が1回で済む新しいタイプの薬が登場しました。
薬には粉や固めた錠剤など実にたくさんの種類があります。「薬の内容に応じて、効果が発揮されやすいよう形や大きさを工夫しているからです」。薬の正しい使い方について普及活動をしている団体「くすりの適正使用協議会」の俵木登美子理事長が解説してくれました。
薬というのは、病気の原因となっている場所に、特定の物質を届けて元の健康な状態になるのを手助けします。
飲み薬の場合、口から食道を通って胃に入ります。胃で分解された後に小腸で吸収されて血管に入り、血液の流れに乗って病気の原因の場所に届きます。粉末は吸収されやすいので早めに効いてきます。錠剤ならばゆっくり長く効果を発揮します。同じ飲み薬でもシロップ剤は子どもが飲みやすいように甘い味がつけられたタイプです。
他には口から吸って肺に薬を直接届ける吸入剤があります。ねんざした場合は湿布という貼り薬がよく渡されます。皮膚を通して痛めた部分に薬が届くように工夫されているのです。インフルエンザのように体のあちこちの細胞がウイルスに感染した場合は、全身を流れる血液を利用してあちこちに薬を届けるわけです。
薬が悪さをするときもあります。病気の原因の場所以外に働きかけてしまうためで、「副作用」と呼びます。インフルエンザの薬には皮膚に発疹が出ることなどが報告されています。
企業や大学の研究者は、病気の原因や体の仕組みを調べ、安全で効果の高い薬の開発に挑んでいます。早く治し、副作用の危険性を減らすため、薬の回数や量は、お医者さんや薬剤師さんの指示に従ってください。また、コップ1杯の水かお湯で飲んでくださいね。
医学や地球温暖化、原発などを担当。学生時代はオーロラを専攻した理系人間。本物が見たくて休職し、アメリカのアラスカ大学に留学。40代でバイオリンを始めた。1966年岐阜市生まれ。