Q デンキウナギは、どうやって発電しているの?(千葉県南房総市、小4、女子)
尾っぽの筋肉内で電池の直列つなぎ
A デンキウナギは、南アメリカのアマゾン川などにすんでいます。「ウナギ」という名前がついていますが、分類学上はウナギの仲間ではありません。
体長は1~1・5メートル。小魚を食べます。夜行性で、昼間はものかげなどにかくれていることが多いです。
内臓が体の前方の2割に集中し、顔のすぐ近くに肛門があります。残りの8割が尾です。尾の筋肉で発電します。
尾の筋肉は特別な細胞でできています。興奮すると、細胞の一方の壁からナトリウムイオンというものが細胞内に入ってきます。ナトリウムイオンは電気的にプラスです。そのため壁の外側はマイナス、壁の内側はプラスといったように、細胞の中と外でプラスとマイナスが交互に並び、電池の直列つなぎのようになって高い電圧を起こすのです。
しながわ水族館(東京都品川区)の魚類担当、久保沙紀子さんは「デンキウナギはにごった水の中で生活しているため、目がよくありません。弱い電気を出して、獲物や障害物を探します」と話します。
デンキウナギが出す電気には2種類あります。ふだんの電圧は10~20ボルト程度で、センサーの役割を果たします。えさをとるときには800ボルトもの電圧を起こします。その威力は馬やワニが感電して、けいれんするほどだそうです。脂肪に守られているため、デンキウナギ自身は感電しません。デンキナマズやシビレエイも発電しますが、電圧の高さはデンキウナギが断トツです。
しながわ水族館では水槽を掃除する時は、電気を通さないゴム手袋をはめて触ります。水槽には電気を感知するセンサーがあり、何ボルト放電しているかが分かるようになっています。クリスマスの時期には、デンキウナギの放電を利用してツリーを点灯させます。【篠口純子】<え・おだじまふみあき>