体の形や模様に特長があるタニガワナマズ=いのちのたび博物館提供
Q 魚は世界に何種類いるのか (大阪府高槻市、小学2年男子)
3万2000種以上 まだまだ新種発見中
A 海洋学についての教育をしたり、研究をしたりしている東京海洋大学の河野博教授に聞きました。
2015年時点で、魚は3万2000種以上いるそうです。日本の領海内には4000種以上いると言われています。
実は05年から14年の間に新種として発表されたものが世界で約3900種ありました。海の中なので、海洋生物のことは10~20%しか分かっていないと言われており、魚の新種が発表されるのは珍しくないということです。
新種かどうか判断するのに大切なのが、形質です。例えばヒレの形や模様など見た目が今知られているものと異なる場合、新種ではないかと考えます。DNA検査だけではまだ判断することはできません。
さらに、標本にするなどしつつ、論文を書きます。論文が学術雑誌などで発表されれば、新種と言えるそうです。
学術雑誌への掲載は簡単ではありません。レフェリー制度というものがあります。ここでレフェリーとは、その分野に詳しい専門家たちのことです。レフェリーが論文を読み、本当に新種かどうか判断をします。レフェリーが正しい論文だと判断し、雑誌に掲載された時点で、新種と言えるそうです。
新種は、専門家だけでなく、一般の人も見つけられます。ただどうやって新種と見分けるか、何の文献を見ればいいかといったことは専門家でないと分からないことが多いです。専門家に協力してもらい、一緒に論文にすることもできますが、こうした例は少ないそうです。
ですが、魚の世界はまだわからないことが多いのは事実です。1種類だと考えていた魚が、後から2種類に分けられたり、絶滅したと思ったら、再発見されたりすることもあります。
進化の過程、注目を
河野教授は「背景にある進化の過程にも目を向けてほしい」と話します。「透明標本で骨を見るのも楽しいですよ」と教えてくれました。【篠崎真理子】
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