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望遠鏡をつなぎ地球サイズに
今や「ブラックホール」という言葉は、天文学の「超(ちょう)有名人」です。ブラックホールの周辺では時間と空間がゆがみ、そこの物質は猛烈(もうれつ)に加熱されます。光がブラックホールに近づくと、軌道(きどう)が曲げられ、のみ込(こ)まれたりします。一度のみ込まれると、もう決して外へ出られません。まわりの熱い所は輝(かがや)いて見え、ブラックホール自体からは光が出て来ないので真っ黒になるはず。遠くから見ると、光の来ないブラックホールのあたりが、まるで私たちが日常的に見る「影(かげ)」のようになっているということですね(図1)。天文学者たちは、それを「ブラックホール・シャドー」と呼び、何とか写真に撮(と)って、この目で見たいと思い続けてきました。
遠くのものを拡大してみる望遠鏡の技術は、17世紀以来長足の進歩を遂(と)げ、その口径を大きくすればするほどたくさんの光が集められ、技術の進歩も相まって、ますますかすかな光をとらえるようになってきました。
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