連載

的川博士の銀河教室

宇宙開発の歴史や宇宙に関する最新ニュースについて、JAXA名誉教授の的川泰宣さんが解説する長寿連載です。

連載一覧

的川博士の銀河教室

558 人類初の月面着陸から50年/2

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

大統領の歴史的演説

 1961年5月25日、米国のケネディ大統領が、議会で「国家の緊急(きんきゅう)な必要性」と題する歴史的演説をしました(写真1)。その核心(かくしん)は以下のような言葉です。

 「私は、1960年代の終わりまでに、人間を月に着陸させ、安全に地球に帰還(きかん)させるという目標の達成に、わが国が取り組むべきだと確信しています。この期間のこの宇宙プロジェクト以上に、より強い印象を人類に残すものは存在せず、長きにわたる宇宙探査史においてより重要なものも存在しないことでしょう。そして、このプロジェクト以上に完遂(かんすい)に困難を伴(ともな)い費用を要するものもないでしょう」

 ケネディがこの演説をした時点では、米国は、そのわずか1カ月前に、アラン・シェパード飛行士がわずか15分あまりの弾道飛行(だんどうひこう)をしたという実績しか持っていませんでした。そんな段階から、月までは遥(はる)かに遠く、ましてや月面着陸など、まともに考えれば無謀(むぼう)の極致(きょくち)と思う人も大勢いたのです。

この記事は有料記事です。

残り967文字(全文1422文字)

ご登録から1カ月間は100円

※料金は税別です

あわせて読みたい