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最初の異変、アラーム1202
1969年7月16日に、アポロ11号宇宙船と3人の宇宙飛行士を乗せて打ち上げられたサターン5ロケットは、発射の12分後、地球を周回する軌道(きどう)に入り、地球を1周半したあとに3段目のエンジンに点火、月に向かう軌道(月遷移(せんい)軌道)に入りました。
アポロ宇宙船は、司令船・機械船・月着陸船の三つの部分からなっており(図1)、月へ向かって飛んでいるときは3人とも司令船に乗っています。7月19日に月の向こう側に姿を消したアポロ11号は、そのまま放っておくと、月をぐるっと回って地球の方へ戻(もど)ってきてしまいます。だから、月の裏側で機械船のロケットエンジンに点火してブレーキをかけ、月周回軌道(つきしゅうかいきどう)に入りました。地球の管制センターから見えない所でのオペレーションなので、地上では気をもんでいましたが、この点火はうまくいき、第一関門を突破(とっぱ)しました。
3人の飛行士は、米国テキサス州のヒューストンにある管制センターと緊密(きんみつ)な連絡(れんらく)をしながら、月を30回も回りました。その間、着陸のための準備を注意深く行っていたのです。飛行士に細かい仕事の指示をしているのは、数多くのエンジニアたちにバックアップされている管制センターの管制官たち、それと、宇宙船に取り付けられたアポロ誘導(ゆうどう)コンピューター(AGC)です(写真)。コンピュー…
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