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アラームでも「ゴー!」
司令船から離(はな)れて月面に向けて降下を開始した月着陸船「イーグル」。着陸まで7分半。コンピューターが突然(とつぜん)警報を発し、「1202」という数字を告げました。船長のニール・アームストロングが、「プログラム・アラーム1202の意味を教えてくれ!」と叫(さけ)んでいます。
無数のスイッチが並ぶ計器盤の真ん中に“ABORT”と書かれた赤い大きなボタンがあります。これを押(お)すと、緊急(きんきゅう)退避(たいひ)プログラムが作動し、月着陸は中止されます。地上の管制センターの人々(ひとびと)の頭に、着陸中止の考えがちらつきました。管制全体を指揮しているディレクターはジーン・クランツという人です(写真1)。彼(かれ)をはじめとするみんなの視線が、1人の人物に注がれました…
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