卓球がオリンピック(五輪)で正式競技になったのは、1988年のソウル五輪ですが、パラリンピックでは第1回のローマ大会から行われています。ルールや、ラケット、ボールなどの用具は、五輪の卓球とほぼ同じです。
クラスは、大きく二つに分かれます。手足や体を支える機能などに障害がある「肢体不自由」と、「知的障害」です。肢体不自由のクラスは、車いすを使う選手と立ってプレーする選手に分けて、さらに障害の程度もふまえた細かいクラス分けがあります。知的障害は1クラスです。
車いすを使う選手の試合では、サーブがコートのサイドラインの上を横切ると、やり直しになります。選手の体の前にあるエンドラインの上を通るように打たなければなりません。ダブルスでは、五輪のように交互に打たず、同じ選手が続けて打っても反則にはなりません。
両足が悪い人もいれば、両手が悪い人もいて、片手、片足の人もいます。つえをついたり、ラケットを手に固定したりして、違うスタイルでプレーします。選手が自分の障害にどう向き合っているかも見どころです。【武本亮子】
◆忍法帳
パラと五輪の二刀流
大きく体を使ってプレーができるなど、比較的、障害が軽い選手の中には、健常者の大会に出場して活躍する選手もいます。生まれつき、右ひじから先がないポーランドのナタリア・パルティカ選手は、リオデジャネイロ大会でパラリンピック4連覇を達成しましたが、五輪にも2008年の北京大会から出場しています。