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子ども向けの本を出版した作家さんたちに、創作の背景や自身の子ども時代について聞きます。

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今週は… 作家に聞く

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一人ひとりではきられない 藤野恵美ふじのめぐみさん

 ともだちが一人ひとりもいないハリネズミが主人公しゅじんこうの「しあわせなハリネズミ」。孤独こどくなハリネズミが、もぐらたちと出会であうことですこしずつ変化へんかし、成長せいちょうしていく心温こころあたたまる物語ものがたりです。作者さくしゃ藤野恵美ふじのめぐみさん(42)に、創作そうさくども時代じだいについてきました。【長尾ながお真希子まきこ

 ――なぜ主人公しゅじんこうがハリネズミなのですか。

 藤野ふじのさん 現在げんざい小学しょうがくねん息子むすこんであげたい作品さくひんにしようと、息子むすこをイメージしました。ひととあまり仲良なかよくしない孤独こどくあいするチクチクした性格せいかくなので、「主人公しゅじんこうはハリネズミにしよう」とめました。

 ――息子むすこさんには作品さくひんとおして、どんなことをつたえたいとおもったのですか。

 藤野ふじのさん 一人ひとりきというのは、個性こせいとしてみとめるのですが、ひととの出会であいによって世界せかいひろがるということや、ともだちとのきずなはぐくむことができる。出会であいには、そんな希望きぼうがあるということをってほしいな、というねがいをめました。

 ――息子むすこさんの反応はんのうはいかがでしたか。

 藤野ふじのさん 「このハリネズミって、ぼくだよね」とはなしていたので、「どもなりにわかってるんだ~」とうれしかったです。

 ――ハリネズミはモグラと出会であったことによって、他者たしゃ気持きもちがわかるようになり、すこしずつ成長せいちょうしていきます。

 藤野ふじのさん こころ成長せいちょううながした作品さくひんになっています。ひと一人ひとりではきていくことがむずかしい。いろいろなひとたちとかかわってきていかないといけません。作品さくひん人間にんげん関係かんけいなやんでいるひとたちへのヒントとなれば、うれしいです。

 ――どんな小学生しょうがくせいでしたか。

 藤野ふじのさん からだよわく、運動うんどう苦手にがてだったので、そとあそぶより、教室きょうしつほんむことがきなどもでした。学校がっこう図書としょしつにあるほん一通ひととおみましたね。

 ――作家さっかになろうとおもったのはいつですか。

 藤野ふじのさん 小学生しょうがくせいのころから作家さっかになりたかったので、SFのショートショートをいては、ともだちにんでもらい、感想かんそうをもらっていました。大学生だいがくせいとき作家さっか眉村卓まゆむらたく先生せんせい創作そうさく演習えんしゅう授業じゅぎょう毎週まいしゅう、ショートショートをいては提出ていしゅつしていたので、相当そうとうきたえられました。いままでに短編たんぺんなどもふくめると100さつ以上いじょうほん出版しゅっぱんできたのも、このとききたえられたおかげかなとおもいます。

 ――最後さいご小学生しょうがくせいにメッセージを。

 藤野ふじのさん 新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうひと直接ちょくせついづらい時期じきいまこそ、ほんんでほしいです。さびしいときは、ほんなかのキャラクターたちともともだちになれます。


 ☆しあわせなハリネズミ(小沢おざわさかえ・講談社こうだんしゃ/1485えん

 ともだちがいないけれど、一人ひとりでも平気へいきなハリネズミは、いつでもおもったとおりのことをくちします。背中せなかのはりだけでなく、言葉ことばもチクチクしているのです。そんなある、もぐらと出会であったことで、ハリネズミに変化へんかおとずれて……。


 ■プロフィル■

 1978ねんまれ、大阪府出身おおさかふしゅっしん大阪おおさか芸術大学げいじゅつだいがく文芸学科ぶんげいがっか卒業そつぎょう。2004ねんに「ねこまた妖怪ようかいでん」でだいかいジュニア冒険小説大賞ぼうけんしょうせつたいしょう受賞じゅしょうおも作品さくひんに「お嬢様じょうさま探偵たんていありす」シリーズなどがあります。

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