広島に原爆が投下された直後に「黒い雨」が降ったとして、国が指定した区域です。行政のことばで「健康診断特例区域」といい、1976年に指定しました。爆心地の北西部にある楕円状の範囲(南北約19キロメートル、東西約11キロメートル)に大雨が降ったとする気象台の調査に基づいています。この区域の中にいた人は、無料の健康診断が受けられ、一定の病気になれば被爆者健康手帳をもらえます。区域を外れるとこうした支援は受けられません。黒い雨が降った範囲は、広島市などの調査が指定区域よりも広いとしてきました。しかし、国は区域を広げてきませんでした。