メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

的川博士の銀河教室

的川博士の銀河教室 621 野口聡一さん、3度目の宇宙へ

クルードラゴンに搭乗する4人の飛行士。一番右が野口さん=NASA/JAXA提供
今年4月に「きぼう」から放出される超小型衛星の様子=JAXA/NASA提供
日本の実験棟「きぼう」で、山崎直子さんとパフォーマンス=NASA/JAXA提供

[PR]

「クルードラゴン」に搭乗

 米航空宇宙局(NASA)はさる10月26日、日本人宇宙飛行士の野口聡一(のぐちそういち)さんら4人が搭乗する(図)予定の民間宇宙船「クルードラゴン」の打ち上げを、米東部時間11月14日午後7時49分(日本時間15日午前9時49分)に行うと発表しました。10月31日に打ち上げを予定していましたが、「ファルコン9」ロケット第1段エンジンの装置に想定外の動きがみられ、打ち上げの安全性に支障がないか、データや機体を調べていました。

 米宇宙企業(きぎょう)スペースX社が開発した「クルードラゴン」は、5~8月に行われた有人試験飛行で、地球と国際宇宙ステーション(ISS)の往復に成功。今回が初めての本格運用です。民間(みんかん)企業が宇宙飛行士を定期的にISSに送り届ける事業の本格的な始まりとして注目されています。

 野口さんは、今回が3回目の宇宙飛行です。過去2回の飛行では、スペースシャトル(米国)及(およ)びソユーズ宇宙船(ロシア)に搭乗しました。2度目の時は山崎直子(やまざきなおこ)さんともISSで合流しました(写真1)。今回、クルードラゴンに搭乗することで、野口さんは3種類の宇宙船に搭乗して、ISSへ向かうことになります。3回とも異なる宇宙船に乗るなんて、巡(めぐ)り合(あ)わせとはいいながら珍(めずら)しい経験ですね。

 今回の長期滞在(ちょうきたいざい)ミッションでは、野口さんはISSにおよそ6カ月間滞在して科学実験を行うほか、日本実験棟(とう)「きぼう」に設置したスタジオから、地上向けに番組を配信する「宇宙放送局」の活動などを行う予定となっています。ライフサイエンスや医学実験をはじめ、超小型衛星(ちょうこがたえいせい)の放出、技術実証など、多くの「きぼう」の利用が予定されています。

 技術実証では、宇宙で火災が起きた時の安全性を向上させるために、固体材料の燃焼に重力がどのように影響(えいきょう)するかを調べる実験をします。最近はISSからの超小型(ちょうこがた)衛星放出(写真2)に精力的に取り組んでいる宇宙航空研究開発機構(JAXA)。今回の野口さん滞在中には、フィリピン、パラグアイの留学生と日本の学生が開発した超小型衛星3基の放出が予定されています。面白そうなのは、「宇宙放送局」。「きぼう」の中に番組スタジオ「KIBO宇宙放送局」を開設し、宇宙に設置したディスプレーを介(かい)して、宇宙と地上でリアルタイムのコミュニケーションを楽しむのです。これは双方向(そうほうこう)のライブ番組配信で、このためにさまざまな特殊(とくしゅ)なシステムが開発されています。いろいろと楽しみですね。


的川泰宣(まとがわやすのり)さん

 長らく日本の宇宙開発の最前線で活躍(かつやく)してきた「宇宙博士」。現在は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の名誉(めいよ)教授。1942年生まれ。


 日本宇宙少年団(YAC) 年齢・性別問わず、宇宙に興味があればだれでも団員になれます。

 http://www.yac−j.or.jp


 「的川博士の銀河教室」は、宇宙開発の歴史や宇宙に関する最新ニュースについて、的川泰宣(まとがわやすのり)さんが解説するコーナー。毎日小学生新聞で2008年10月から連載(れんさい)開始。カットのイラストは漫画家(まんがか)の松本零士(まつもとれいじ)さん。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「都構想説明パンフは違法」 大阪市長らに約1億円返還求め住民訴訟

  2. コロナで変わる世界 国家ぐるみの偽情報にどう立ち向かう? インテリジェンス研究者に聞く

  3. 際立つ大阪のコロナ死 その理由、高齢者の「命のリスク」高める構図とは

  4. 自公、北海道2区補選で「不戦敗」選択 惨敗すれば首相の責任論 吉川元農相在宅起訴

  5. 元慰安婦賠償判決 差し押さえの可能性が否定できない日本政府の資産とは

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです