オリオン座の中を下に向かって横切るように流れる、ふたご座流星群の流れ星=北海道壮瞥町で2015年12月、手塚耕一郎撮影
富士山上空の夜空に出現した、ふたご座流星群の流れ星=山梨県山中湖村で2017年12月、手塚耕一郎撮影
空気が澄み、星空の観察にもってこいのシーズンとなりました。今の時期、うってつけなのが三大流星群の一つ「ふたご座流星群」です。国立天文台によると、4日から17日ごろまで楽しめます。ピークをむかえる13日夜から14日明け方にかけて、今年は月明かりの影響がほとんどないため、いつになく良い条件で観察できそうです。
チリの粒が光を放つ
流星とは、宇宙にある直径1ミリメートルから数センチメートルのチリの粒が、地球の大気に飛び込んできて、高温になって燃え尽きる時に光を放つ現象です。太陽を回る彗星などは、通った後に大量のチリの粒を残します。そこを地球が横切った時に地球の大気に飛び込んできて、たくさんの流星が現れることを流星群と呼びます。
ふたご座流星群の場合、彗星ではなく、太陽を1・43年で1周する「フェートン」という小惑星が大昔、大量のチリの粒を出していたと考えられています。空の暗いところでは、最大で1時間当たり55個ほどの流星が見えます。
流星群の特徴は、空の一点から流星が四方八方に飛び出すように見えることです。その点を「放射点」といい、ふたご座にあるため、「ふたご座流星群」と呼ばれます。三大流星群のうち1月のしぶんぎ座流星群、8月のペルセウス座流星群も、放射点のある星座から名付けられました。
チャンスは午後9時~
国立天文台天文情報センター普及室の佐藤幹哉さんによると、夕方の早い時間は放射点が低いので午後9時以降がチャンスです。午前2時ごろには放射点が真上付近にあるので、流星が降ってくるように見えます。いつどこに出るか分からないので、空の広い範囲を見わたすようにしましょう。レジャーシートをしいて地面に寝転ぶと楽です。寒い季節なので寒さ対策をしっかりとして、事故にあわないよう注意し、夜中なのでマナーを守って観察しましょう。【石塚孝志】